抜歯矯正が知りたい

容易ではない!?前歯を抜歯しての歯列矯正治療について

みなさまおはようございます
東京のプロ矯正歯科 田中憲男です

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夏が終わろうとしているところに、猛暑の日々が続きますね
昔は夏休みというと8月31日まであり、
この時期は宿題を片付けるのに必死になっているイメージがありますけど

最近の小学校や中学校は8月25日ころから2学期が開始されるとこも結構あります。
東京都23区内でも25日に開始する区と9月1日から開始する区があるのも
変な感じがします。

さて、プロ矯正歯科の夏もそろそろ終わりです。
夏休みは子供だけに限らず、大人の患者さんも休暇があることから、
診療予約が分散してくれます

そのため、初診相談の方の枠も比較的余裕をもって対応できました。
残念ですけど、
9月に入ると通常の診療状況になるので、
初診相談の枠が減少してしまいますし、十分な説明ができない可能性も出てきます。

申し訳ありませんが、現状、診療継続中の患者さん優先ですので、
御理解御協力のほど、何卒宜しくお願いします。

さて、
前回のブログでも書きましたが、
当院に相談に来る患者さんの半分くらいは
他のクリニックで相談や診断を受けています

それはまったく問題がないのですけど、
相談や診断を受けた人のうち
前医師での診断に不安になった方や
治療を断られた人なら問題ないのですけど、
前医師のやり方が正しいかどうかを検証するために
私の意見を聞きにくるといった患者さんもおります。

結論から申し上げると
歯列矯正治療は技術職です
前医師ができたことが
私にできなかったり

一方で
前医師ができなかったことが
私にはできたりします

学んだ教育環境
得てきた経験年数
治療してきた症例数が異なるのですから

当然といえば当然なのですが
日本人の場合は
1+1=2
といった教育を受けているので
答えは1つという考え方をもってます

残念ですが、
医療というのは
答えは複数あります。

それぞれすべて正解なのです
すくなくとも、
歯科医師国家試験を合格した免許がある人が
打ち出した治療方針については正解です
それが、治らない診断だったとしてもです。

重要なことは

1:歯科医師免許があること
2:患者さんに説明をし、同意を得る

1と2をクリアしていれば
本来絶対に抜歯しなければいけないような状況でも
抜歯しないで治療しましょうでもまったく問題ありません。

ですから、
前のクリニックで診断を受けて
その内容に疑問や不安を感じたら
他のクリニックにいくのは問題ない行動ですけど

そもそもが、前のクリニックの答え合わせみたいなことを
当院を含めて、経験が豊富な先生に確認がてら相談にくることは
判断に迷う材料が増えるだけですので、やめといた方が良いです。

容易ではない!?前歯を抜歯しての歯列矯正治療について

本日の症例もそんな症例でした
初診時に前歯が抜けてしまったとのことで
歯列矯正相談をされたそうですけど、
治療は不可能と断られてしまったそうです。

前歯が1本すくないのですけど、正面の写真ではわかりにくいです

上からみると歯がすくないのがわかります

この症例の場合、前歯が1本抜けてしまったことに加えて
その隣の2番目の前歯の状態も抜歯寸前でした。

そのほか、歯周病的な問題もあり包括的な処置が必要でした。
歯周病の処置は仲間の専門医に依頼しました。

以前は歯周病も口腔外科も先生を呼んで対応していたのですけど
現在はみな、独立して開業されています。

診療の質をキープする上で、依頼する形に変更しました。
診断の結果、歯列矯正治療を開始することになりました。
抜歯部位は抜けてしまった前歯の隣の2番目の歯です。

つまり、向かって右側の2本を抜歯して、
左側の歯を顔面の正面を通過して反対側に移動してきます
この歯の移動はほぼ確実に歯根が短くなりますが、
どんな方法をとったとしても
向かって2番目の歯は抜歯以外の選択はないので、
これはこれで良い判断と思います。

ここで、通常のレベルの先生であれば
本症例に関しては、絶対に診療を100%断ります。

この症例を引き受けるということは
これまでの経験をミックスして、
新しい難題にチャレンジする精神がないと不可能です

事実、患者さんには
歯列矯正治療が可能なレベルになるまでは、

矯正に関する治療費用を請求しませんと
いう形でスタートしました。

まずは、2番目の歯の周辺に骨移植をしました。
骨は自家骨がベストですが、それでは足りないので
人工骨と自家骨のミックスです。

骨がないところには歯はうごきません。
抜歯予定の2番目の歯を動かすことにより、
移植した骨が吸収しない状況をつくります。

user comment….

九州に筒井塾という、歯科医師向けの勉強会があるのですが
そこの筒井先生が提案している、
修復的歯牙移動というテクニックを応用してます。

オリジナルではなく、骨移植してさらに修復的歯牙移動です。

そうなると、向かって2番目の歯が外側にうごいてきているのがわかります。
一つ前の写真と比較しましょう

この状況から

このように変化していきます。
ポイントは向かって右側の2番目の歯の変化です。
ここで、ようやく2番目の歯を抜歯します

現在の状況です

user comment….

2番目の歯を抜歯しました

向かって左側の1番目の歯を右側の1番目に移動しました。
また、向かって左側の2番目の歯を左側の1番目に移動しました。

それぞれ、2番目の歯には左右の犬歯を利用します。
ここまでで、治療期間が1年かかりました。

治るというイメージができたので、下顎にも矯正装置をセットしました。
そして、患者さんにも治療費用の請求を開始しました。

本日の症例を振り返っての結論

歯列矯正治療の場合
どんなレベルの先生でも、みたことも治療したこともないような症例に遭遇します
つまり、治るか治らないか不安な状況で診療をすすめています。

それを補う方法が
知識と経験と知恵です
ところが、知識も経験も知恵もない場合は
とにかく行動することです。

学会やセミナー、勉強会、雑誌や論文など
ありとあらゆる情報を集めまくることです。

そして、いきなり難しい症例に挑戦するのではなく、
階段を上るようにステップを踏んでいくのです。
私が外勤先で御世話になっている

医療法人社団赤羽歯科医院の医局には立派な額縁が飾っています。

その中身とは?

知恵を出せ
知恵が出なければ汗を出せ
汗もでないなら静かに去れ
です

今から20年位前でしょうか?

昭和大学医局員時代に赤羽歯科での外勤を開始したときは

知恵を出せ
知恵が出なければ汗を出せ
汗もでないなら静かに去れ

をみた時にすごいところに来てしまったなあ~と
思いましたが、
人間年を取ると変化するものです。
それでは8時をすぎました

本日も1日がんばりましょう!

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