東京・練馬区の自宅で44歳の長男を包丁で刺した疑いで逮捕された、農林水産省の元事務次官の男の身柄が東京地検に送られました。男は動機について「川崎の殺傷事件を知り、長男が人に危害を加えるかもしれないと思った」と供述しています。

 殺人未遂の疑いで逮捕された元農林水産省事務次官・熊沢英昭容疑者(76)は6月3日、身柄を検察庁に送られました。熊沢容疑者は1日、練馬区の自宅で、長男の英一郎さん(44)を包丁で刺した疑いが持たれています。傷は胸や腹など十数カ所に上り、英一郎さんは病院で死亡が確認されました。警視庁は容疑を殺人に切り替え、調べを進めています。

 これまでの調べで、英一郎さんは事件の数時間前、近所の小学校であった運動会の音がうるさいと腹を立て、熊沢容疑者との間で口論になったことが分かりました。熊沢容疑者は、5月に川崎市で起きた事件と同じように人を傷つける恐れがあると考えて事件を起こした可能性があり、警視庁が動機を調べています。

 英一郎さんのものとみられるツイッターのアカウントにはオンラインゲームに関する書き込みが連日のように投稿されていました。熊沢容疑者は、英一郎さんについて「引きこもりがちで、暴力や暴言があり、身の危険を感じた」と話しているということです。また、熊沢容疑者は「周囲に迷惑を掛けるといけないと思った」とも供述していて、自宅からは殺意をほのめかす熊沢容疑者ものとみられるメモも見つかっています。警視庁は、強い殺意があったとみて捜査を進めています。

<「引きこもり」救済の手立ては… 専門家に聞く>

 今回の事件の被害者、さらに5月の川崎市で発生した殺傷事件の容疑者は「引きこもりだった」という情報があります。

 相次ぐ事件を背景にさまざまな議論になっている「引きこもり」について、引きこもり問題を20年以上にわたって取材しているジャーナリストの池上正樹さんにTOKYO MX NEWSのスタジオで話を聞きました。動画をご覧ください。

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