「TYPE IT」は、キーボードに慣れていない初心者でもタッチタイプで入力できるよう、順を追って学んでゆけるタイピング練習ソフト。ホームポジションの確認から、1段ずつ、1本の指ごとといった基礎的な練習から、英語/日本語の単語、文の入力などの実践的な練習へと、ユーザが無理なくステップアップできるように工夫されている。

練習メニューは、レベル別に「ホーム」「指」「片手」「両手」「かな」の5段階が用意されている。各メニューにはそれぞれ10ないし11の練習項目がある。「ホーム」はホームポジションの8キー＋【G】【H】【;】を入力するごく基礎的なもの。「指」「片手」では、各指ごとの反復入力（縦移動の練習）から、次第に使う指と入力するキーの範囲が広げられる。各指、各キーの偏りがないように段階的に練習してゆける。

「両手」では、英単語と英文の入力を練習。「かな」では、あいうえお/あかさたな/いろは、五十音/濁音などの入力から、単語/ことわざ/百人一首といった、より実践的な入力の練習を行える。

練習画面は、上部に入力すべき問題が1行で表示される。画面中央に表示キーボードは、右手/左手の各指で8色に色分けされ、初心者でもわかりやすい。正確に入力できると、1文字ごとにタイプ音が鳴り、同時に問題の文字が茶色に変わる。間違うと赤色になり、間違いを知らせるブザー音が鳴る（標準設定の場合）。一通り練習が終わると、間違えた部分がもう一度表示されて復習できる。復習は、正しく入力できるまで繰り返される。

練習の成果は、練習メニューごとの成績表画面で確認できる。成績項目は、合格チェック、タイピング速度（平均5文字を英単語の1ワードとして、英文タイプの測定に用いられる“ワード/分”に換算）、正確率（％）、速度のランク（幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、大学院、プロ級の7ランク）で、そのほかに最新の練習日時も表示される。

通常の練習メニューのほか、「もぐらたたき」ゲームという遊びが用意されている。キーボードのキーが1個だけランダムな順序で現れるので、間髪入れずそのキーを入力し、1分間で叩いた数を競うというもの。

また、他のタイピングソフトに比べてホームポジション、指1本、片手の練習メニューがしつこいくらいに充実している。ミスタイプは正確に打てるまで何度でも“復習”させられるなど、タイピングで一番大切な（そして挫折しやすい）ポイントである「各キーの位置」を、はじめに徹底的に身体（指と頭）に叩き込もうとする点は、一貫している。

「ホームポジションの確認」「アルファベットのマスター」「簡単な英単語/英文の練習」「日本語のローマ字タイピング」というステップがきちんと分かれているので、自分のレベルによって、初心者は「ホーム」から、キーの位置を覚えた人はアルファベットの「片手」または「両手」あたりからはじめればよいだろう。

「かな」コースで、あいうえお（行の練習）、あかさたな（段の練習）、五十音/いろは（各々順番にタイプする）、さらに濁音、促音（っ）、拗音（ゃ、ゅ、ょ）など、日本語（ローマ字）特有のタイピングを練習する項目が充実している点もうれしい。ローマ字による「日本語表現」のタイピングソフトとして、いわゆる「英文」とは使用するキーもタイプ順も大きく異なる、日本語（ローマ字）特有のタイプの練習ができるわけだ。タイプする内容も、無作為（無意味）の文字列と、短い単語、文章まで幅広い。さらに、ユーザが自由な文章を作って、練習メニューに加えることもできる。

付属しているマニュアルが、単なる使い方の説明ではなく、学び方やコツを押さえた教則本になっている点にも注目したい。全体的に、練習コースはきわめて細かいステップに分かれており、まったくのはじめてという人でも、マニュアルを見ながら少しずつ段階を追って、学習を進めることができるだろう。特に、周りに教わる人のいない初心者に、独学のための練習ソフトとしてお勧めしたい。

まったく初めて練習する方にも対応したメニューから、ローマ字変換でのかな入力まで修得することができます。肝心なことは画面のキーボードだけを見て手もとを見ないことで、最初は苦しいですがあとから必ず効果が出てきます。1回の練習問題数や、目標レベルも自分に合った設定ができます。ぜひ、チャレンジしてみてください。