「送ろう」は、エクスプローラなどでファイル/フォルダを右クリックしたときに表示されるコンテキストメニューの「送る」を機能拡張するソフト。「送る」に任意のアプリケーション（実行ファイル）のショートカットを簡単に作成することができるほか、作成したショートカットの削除機能を備える。さらに「スタート」メニューの「プログラム」などにショートカットを作成することもできる。「送ろう」本体のほか、「送ろうマネージャ」など、複数の付属プログラムから構成される。

「送ろう」本体の役割は、指定した実行ファイルのショートカットを「送る」に登録するだけと、きわめてシンプル。コンパクトな画面を使ってユーザが行う操作は、（1）「送る」のサブメニューに表示する名前を入力し、（2）登録する実行ファイルを指定する、という2ステップだけでよい。

「送る」に登録されたショートカットを削除するために用意されているのが「送ろうマネージャ」という別プログラム。一覧から選択して、不要なショートカットを簡単に削除できる。

やっていることは、実は意外に簡単なのだが、「送る」コマンドの実態がどのようになっているかを知らないまったくのパソコン初心者でも安心して、コマンドを追加したり削除したりできるのがメリットだろう。

内容がシンプルなだけにちょとした制限もあって、Windowsをインストールしているフォルダの名前が「Windows」以外だとうまく働かない。またWindows XPのように「送る」コマンドの設定をユーザアカウントごとに持つ場合にも問題があるようだ。

これらの問題はいずれもWindowsの仕組みにある程度通じたユーザであればすぐに回避できるが、逆にいえばそういう人にとにとっては、このソフトがなくても自分で同じような設定ができるということでもある。

というわけで、筆者の考えるこのソフトのターゲットユーザとは、「送る」コマンドの便利さを覚えたけれど、それがどういう仕組みになっているのかまでは知らない人、ということになる。また、もっとレベルの高い人なら、まわりの初心者ユーザに「送る」コマンドの便利さを教えてあげるための格好の教材として捉えるのもいいのではないかと思う。

ソフトには、本体のほかに、「送る」メニューの整理を行う「送ろうマネージャ」、任意の場所にショートカットを作成する「ショートカット作成アプリ」、デスクトップにショートカットを作成する「デスクトップショートカット作成アプリ」、スタートメニュー→プログラムにショートカットを作成する「スタートメニューショートカット作成アプリ」が同梱されています。

ソフトを起動すると、非常に小さなウィンドウで、邪魔にもならずスッキリ作業ができます。また、メニューの項目がすべてショートカットキー（【Ctrl】＋【Q】など）にて行えるので、作業効率が上がります。「送ろう」本体では、「送る」メニューに登録する機能しかありません。しかし、同梱の「送ろうマネージャ」にて、「送る」メニューの項目を削除できます。このように、機能を別々にすることにより、目的別に使い分けることが可能です。

「送ろう」メニューの「テンプレートの作成」を選択すると、「送る」メニューに次のような項目が自動的に追加されます。

• デスクトップにショートカットを作成
• スタート→プログラムにショートカットを作成
• 指定したフォルダにショートカットを作成

開発しようと思った動機・背景
作成の動機は……、「送る」メニューを改造したいと思い、改造を試みたのですが、ショートカットを作ったり移動をしたりと、非常に面倒なものです。そして、この面倒な「送る」メニューを簡単に改造できるソフトがあったらいいなぁ……と思って作ったのが、この「送ろう」です。

苦労した点
ズバリ「ネーミング」！！（笑）

ユーザにお勧めする使い方
一つひとつのテンプレートの項目、機能ごとに分けられています。例えば、「デスクトップにショートカットを作成する」という機能は、Desktop.exeというファイルにリンクしています。このDesktop.exeにファイルをドラッグ＆ドロップすれば、「送る」メニューから送ったことと同じようになります。

バージョンアップの予定
このソフトレビューの執筆をやらせていただいて、バージョンアップの更新頻度が増えました（笑）。また機能を増やしていきたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします。