いろんな登場人物がいて、いろんなシーンがあって会話が交わされるのですが、その会話がすごく軽妙で、その登場人物の人となりが見えてくるように感じました。それぞれに本音のトークが交わされる中で、実はお互いにかみ合っていないところもあるけれど、シーン全体としては成立しているのがおもしろいです。上野樹里さんが演じる葉菜子さんと、私が演じるお母さんの律子さんとの“親子のシーン”も含めて、本当におもしろい台本だと思いましたし、ドラマをご覧になる方は、まずはそんなところからドラマの魅力を感じていただけると思います。
「60歳を迎えて人生これから!」と言ってのける元気なお母さんです。今の世の中、60代といってもお若い方が多いですもんね。それこそ70代の方でも90代の方でも、現役で活躍されてらっしゃる方もいらっしゃいます。そう考えると、「私もまだまだ頑張らなきゃ」と考えるのは当然かもしれないですし、律子さんのようにまだまだこれから可能性があると感じているのは、ごく自然な流れかもしれません。それに、歳を重ねるごとにいろいろと出会いも増えるでしょうし、律子さんとしても、そんなところを楽しみたいと考えていると思います。
それは、今までの人生でいろんなことを経験してきたからこそ愛する娘に伝えたくなることがあるというか、娘のために良かれと思って、ついついおせっかいな部分がでてしまうのだと思います。そこで、娘に対して思いも寄らない邪魔となっていることは、多少なりともあるでしょう。でもそれって、子供を持つ親なら、誰でもしてしまうことだと思います。
社会的に仕方のない状況もあるということは理解していますし、結婚したくてもできないという方も少なくないと思います。そんな中、人としての成長という部分を考えると、結婚はした方が良いのかなとも思います。それは、結婚適齢期になったからすぐ結婚するということではなくて、年齢を重ねていく中で、自然とそうなれば良いと思います。ただ、子供を生むことを考えるなら、そこは若い方が何かと良いところがあるので、若いうちに結婚した方が良いでしょうね。乱暴な言い方かもしれませんが、それで失敗しても良いと思います。「案ずるより生むが易し」という言葉もありますしね。
とても可愛い方ですね。そして、お芝居に対してとても真面目で、その取り組み方が良い結果として出ていると感じています。いろんな役者さんがいらっしゃいますが、上野さんお場合、どんな手で来るのかわからないというワクワクする感じがありますし、親子を演じることを本当に楽しんでいます。
香取さん演じる大介さんとのシーンがまだあまりないのですが、どちらかというと香取さんも、どんなお芝居をするのか読めない印象があります。この大介という人物がどんなことを考えているのか? これからいろんなことが見えてくるところなので、そんな大介さんを香取さんがどう演じるのか? 特に西田さん演じる陽三さんとのシーンは、とても楽しみにしています。
当然、いろんな引き出しをもってらっしゃいますし、お芝居に対してとても深い愛情を持ってらっしゃるので、それこそ西田さんの手のひらに乗って転がされるようにお芝居ができれば、とても楽しんでお芝居ができると思います。それに、西田さんご自身も、このドラマに対して何か新しいことを考えて臨んでらっしゃると思うので、とても楽しみにしています。
私自身、家族と縁の薄いところがありますが、家族のありがたみは十分わかっていますし、いろんな家族の形があって良いと思っています。それぞれが望んだスタイルで生きることができて、そんな中で家族を作ることができれば、何か豊かなものを感じられると思います。もちろん、いろんな苦労も伴うでしょうけど、それだけではないので、家族というものはとても大切なものだと思います。
香取さんをはじめ、上野さん、西田さんと、ただ者ではない役者さんが集まっているドラマなので、ただ者ではないドラマになることは間違いないと思います。
このドラマを通して、いろんな家族の形を考えていただけると嬉しいです。