なぜ50万ボルトとかの高い電圧で送電する必要があるのか?
電圧が高いと送電損失が少なくなるためです。
同じ電力を送電する場合、電圧を2倍にすると電流が半分になるため
損失は1/2では無く、1/4になります。
送電とは、発電所−変電所、変電所−変電所の間の電気のやり取りを指し、
配電とは、変電所−需要家の間の電気のやり取りを指します。
[ ]で括ってある部分は水力発電における一般的な利用方法を示します。
地域によってはこれ以外の電圧(110kV、220kV等)を使用していることがあります。
また、工場の構内などでは380V配電を用いている所も数多くあります。
500kV、1000kVの電圧についてはtxさんより情報を頂きました。ありがとうございます。
公称電圧 | 最大電圧 | 摘要 | |
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100V | 115V | 家庭用の配電電圧、単相100Vが用いられる。 規格では供給電圧は101+−6Vとなっている。 [マイクロ水力発電機の出力電圧に用いられる。] |
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200V | 230V | 家庭用の消費電力の大きい機械に単相200Vが 単相3線式として100V/200V併用で送られる。 業務用の消費電力の大きい機器には三相200Vが用いられる。 供給電圧は、単相の場合100Vの2倍、三相の場合202+−20Vとなっている。 [マイクロ水力発電機の出力電圧に用いられる。] |
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3300V | 3450V | 旧配電電圧、ストレスコーンが不要。 現在は構内高圧配電用、高圧電動機に用いられる程度。 |
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6600V | 6900V | 現在用いられている配電電圧。 [数百kW程度以下の水力発電所が接続される。] |
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11kV | 11.5kV | 22kV同様の利用方法だがあまり使用されていない。 [変電設備を共用している至近の小規模水力発電所の渡り配線に使用される。] |
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22kV 33kV |
23kV 34.5kV |
特高地中配電の主流電圧。 6600V配電線電柱へのケーブル共架にて送電される場合にも使用。 特高需要家への架空配電線にも用いられている。 地域によって22kV又は33kVのどちらかが用いられている。 [小規模水力発電所の送電線に使用される。] |
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66kV 77kV |
69kV 80.5kV |
特高鉄塔架空線の主流電圧。 配電線に接続される変電所への送電、大規模需要家への配電に用いられる。 地域によって66kV又は77kVのどちらかが用いられている。 [中規模な一般水力発電所の送電線に使用される。] |
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154kV 187kV |
161kV 195.5kV |
都市部近郊の変電所までの送電に用いられる。275kVと同様の使用をされることも。 地域によって154kV又は187kVのどちらかが用いられている。 [大規模な一般水力発電所の送電線に使用される。] |
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275kV | 287.5kV | 中容量発電所と変電所間、1次変電所と2次変電所間の送電に使用。 周波数変換所を介した異なる周波数の連系にも用いられている。 [大規模な一般水力発電所、中規模な揚水式水力発電所の送電線に使用される。] |
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500kV | 525kV 550kV |
大容量発電所と1次変電所、1次変電所間の送電に使用。 同一周波数の各電力会社間の連系にも用いられる。 [大規模な揚水式水力発電所の送電線に使用される。] |
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1000kV | 1100kV | 首都圏での将来の基幹系統電圧。 送電線は1000kV対応のものがすでに出来ており、現在500kVにて運用中。 |