メタルサーガの世界
汚染と破壊にさらされた地球の自然環境。
事態は深刻さを増し、自らの生存をも危うくなった人類は、環境破壊から地球を守る方法を見つけ出すことを目的として地球救済センターを設立し、マザー・コンピュータ「ノア」にあらゆる手段を推論させた。
その「ノア」が、目的を遂行するために導き出した合理的、且つ効果的な結論。
それは皮肉にも自らを生み出した人類の抹殺であった。
「ノア」は、コントロール可能な全地球上のコンピュータを駆使し、人類抹殺のために着々と準備を進めた。
人類に仕掛けられた「ノア」の巧妙な罠。
「ノア」の手で発射されたミサイルによって、敵も分からないまま人類は戦争へと突入していった。そして、「ノア」により生み出された兵器や、機械と生物が融合したような不気味なモンスターによって、文明は破壊し尽くされ、多くの人類はガレキの下で土になっていった。
後にその出来事は「大破壊」と呼ばれた。
それから、数十年の歳月が過ぎた。
大部分が失われた人類であったが、その生命の輝きは失わずにいた。
人々の中には「大破壊」以前の強力な兵器「戦車」を掘り起こし、オーバーテクノロジーでありながらも、それを駆使してモンスターどもをなぎ倒す者達が現われた。
凶悪なモンスターには賞金が賭けられ、戦車を駆って戦う者たちはいつしか賞金稼ぎ『ハンター』と呼ばれるようになった。
そして、ハンターをバックアップする情報屋としてハンターオフィスが世界の各地に出来上がり、自由に世界を旅する賞金稼ぎ、ハンターに憧れる者も増えていった。
そしてあるとき、
「大破壊」以降も世界を支配していた「ノア」がひとりの名も無いハンターによって破壊されたという噂が聞こえてきた。
それは、ハンターの間では半ば伝説的に語られているが、真偽も、その名も、噂の粋を出ることは無く、時間だけが過ぎていった。