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更新日:令和6(2024)年3月14日

ページ番号:646305

小麦「さとのそら」の赤かび病対策

1.はじめに

赤かび病は人や家畜が摂取すると吐き気や、嘔吐などの原因になります。そのため、農産物検査時(農産物規格規定)に赤かび粒が混入していると、規格外、出荷停止になるため、必ず薬剤防除を行いましょう。
令和4年4月1日より小麦中のかび毒の基準がこれまでの1.1ppm(暫定基準値)から1.0 mg/kgに変更となり、より厳しくなりました。なお、単位もppmからmg/kgに変更になっています(1ppm=1mg/kg)。

赤かび病に罹病した小麦の写真1枚目赤かび病に罹病した小麦の写真2枚目

写真1赤かび病に罹病した小麦

2.発生しやすい条件

開花期~開花盛期に感染します。特に、日最高気温15℃以上で降雨直後の日や湿度が高い日は胞子の飛散が盛んになり感染しやすくなります。過剰な施肥を行った場合は分げつが旺盛になり、開花期が長引き、感染しやすい期間が長期化するため、過剰な施肥は避けましょう。施肥量の目安は、窒素成分で基肥:10アール当たり6~8キログラム(晩播の12月上旬播種の際は8キログラム)、追肥:10アール当たり2~4キログラム(晩播の12月上旬播種の際は4キログラム)です。

3.防除方法

(1)薬剤防除1回目

 1回目の防除適期は開花始め~開花盛期です。開花盛期は、出穂期(全茎の40~50%が出穂(芒を除いた穂の先端が出た)した日)から7~10日後です。出穂を確認したら準備を行い、開花を確認したら防除を開始して防除時期が遅れないようにしましょう。

表1小麦の赤かび病防除薬剤

薬剤名 倍率 散布液量 収穫前日数 使用回数 FRAC
トップジンMゾル 1000~1500倍 60~150L/10a 14日 3回以内(出穂期以降は2回以内) 1
トップジンM水和剤 1000~1500倍 60~150L/10a 14日 3回以内(出穂期以降は2回以内) 1
ベフトップジンフロアブル 800~1000倍 60~180L/10a 14日 3回以内(出穂期以降は1回以内) 1
M07
ベフラン液剤12.5 500~1000倍 60~150L/10a 14日 3回以内(出穂期以降は1回以内) M07
チルト乳剤25 1000~2000倍 60~150L/10a 3日 3回以内 3
シルバキュアフロアブル 2000倍 60~150L/10a 7日 2回以内 3
リベロ水和剤 2000倍 60~150L/10a 7日 3回以内 3
バラライカ水和剤 500倍 60~150L/10a 14日 2回以内 3
M04
オーソサイド水和剤80 600~1000倍 60~150L/10a 14日 4回以内 M04
イントレックスフロアブル 1000倍 60~150L/10a 7日 3回以内 7
ミラビスフロアブル 1500~2000倍 50~150L/10a 7日 2回以内 7
ストロビーフロアブル 2000~3000倍 60~150L/10a 14日 3回以内 11
ファンタジスタフロアブル 2000倍 60~150L/10a 14日 3回以内 11

表2小麦の赤かび病防除薬剤【無人航空機】

薬剤名 希釈倍数 散布液量 収穫前日数 使用回数 FRAC
トップジンMゾル 8倍 0.8L/10a 14日 3回以内(出穂期以降は2回以内) 1
ベフトップジンフロアブル 8倍 0.8L/10a 14日 3回以内(出穂期以降は1回以内) 1
M07
チルト乳剤25 8倍 0.8L/10a 7日 3回以内 3
シルバキュアフロアブル 16倍 0.8L/10a 7日 2回以内 3
ミラビスフロアブル 8~16倍 0.8L/10a 7日 2回以内 7
ファンタジスタフロアブル 16倍 0.8L/10a 14日 3回以内 11

※農薬は令和6年1月1日時点の登録内容を元に作成してあります。薬剤を使用する際はラベルを確認し、適切に使用してください。

(2)薬剤防除2回目

発病の好適条件が続く場合や、病気の拡大を確認した場合、1回目の散布後の7~10日後に2回目の散布を行いましょう。耐性菌の発生を防ぐため、1回目と作用機構(FRACコード)の違う薬剤を選びましょう。

4.収穫時の注意

  • 刈り遅れると、かび毒の濃度が高くなる傾向があるため、適期に収穫しましょう。
  • 倒伏した場合や、被害粒が多く見られたほ場は、必要に応じて他のほ場の収穫物と別に乾燥するなど仕分けをしましょう。
  • 適切な水分まで乾燥する間に赤かび病菌が増殖することがあるため、可能な限り速やかに乾燥しましょう。
  • 赤かび病の被害粒が多く見られる場合は、選別の網目を大きくし、被害粒の除去に努めましょう。

初掲載:令和6年3月
山武農業事務所
改良普及課 南部グループ
普及技術員 玉理 温基
電話番号:0475-54-0226

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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