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更新日:令和5(2023)年4月17日
ページ番号:315457
(かなまりのこうぼういど)
県指定有形民俗文化財
昭和30年12月15日
館山市神余巴川(神余区)
その昔、土地の女性が1人の旅僧に小豆粥をもてなしたところ、その粥に塩気がないのを不思議に感じて僧がたずねると、貧しくて塩が買えないと答えた。すると、僧は川に降り、手に持った錫杖を地面に突き刺し、祈祷したのち引き抜くと、たちまち塩辛い水が噴出したとされている。以来、そのおかげで塩を手に入れることができるようになったという。その後、その僧は弘法大師だということがわかったそうである。巴川の川のなかに、やや黄色をおびた塩水が湧出しているところがある。地元ではこれを弘法井戸とも、塩井戸とも呼んでいる。この種の伝説は、「弘法清水」「弘法井戸」などというが、全国各地で、その土地の人々の真心に大師が報いたという形式の物語が発達しており、かつて、それを説いてまわった修験者など、密教系の宗教者の存在があったとみられている。
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