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更新日:令和5(2023)年8月21日
ページ番号:315364
(もくぞうこくぞうぼさつざぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
昭和54年3月2日
富津市岩坂242-2(湊第七区)
虚空蔵菩薩は、智慧と福徳の仏様といわれ、記憶をつかさどる菩薩で、空暗記・そらんじる、などの言葉は虚空蔵菩薩の空から来ているともいわれている。
この像は、1本のカヤ材から彫られた一木造、像の高さは69.5cmで、台座の直径は12.2cmである。彩色などが施されない素地の像で、本体、蓮華座のすべてを1本の材から彫り出し、内刳は施されていない。頭部には五智宝冠と呼ばれる冠を戴き、左手に如意宝珠と呼ばれる玉を持ち、右手は下に垂らして指をそろえる与願印である。求聞持法の虚空蔵菩薩坐像で、月輪形の円光を背に蓮華座に坐している。
本像はこの地方における虚空蔵信仰を示すめずらしい遺例であるとともに、衣や蓮華に丸ノミの彫跡をそのまま残していることや、光背にいたるまで素地仕上げをしている点が注目される。
彫法は簡素だが、両肩を覆った衣や、肉付け、表情などには、鎌倉時代後半期以降に中国宋朝の影響を受け、関東彫刻といわれる関東地方を中心とする像に多くみられる特色がある。しかもその表現に形式化が目立ち、その末期の作であることが推測される。
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