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更新日:令和6(2024)年3月15日
ページ番号:314922
(かんじんほんぞんしょう)
国宝(典籍)
昭和27年3月29日
市川市中山2-10-1(法華経寺)
文永10年(1273)、佐渡に流された日蓮は、配所にあって独自の教学を宣明した。本書はその宗旨の教学的内容を漢文で論述したもので、日蓮宗の根本聖典として重要な著作の原本である。
紙数は17枚、厚手の楮を原料として作られた楮紙の表裏にわたって記されていることや、第13紙以下は寸法の異なる雁皮を原料とした和紙の斐紙に書いていることなど、流人生活が反映されているとみられるが、筆跡は雄渾闊達でである。
合計17枚を1綴とし、牡丹文錦の表紙をつけ、外題に「観心本尊抄」と記している。その下に「日常」とあるのは法華経寺の開基日常のことで、日常が外題を書いたことを示している。
本文の末尾に「文永十年太歳癸酉卯月廿五日、日蓮註レ之」とあり、著作の時点を明らかにしている。
附指定の添状は、日蓮が「観心本尊抄」を書いた翌日、富木殿(日常)にあてて、本尊抄の重要性を述べ、その取り扱いについて厳しく注意を与え、自ら著作の心境をあらわしたものである。
これらを納める「春日山蒔絵筥」は、春日山、秋草、鹿などを散らした優雅な金の高蒔絵で、名工五十嵐道甫(2代)の傑作である。これは正保3年(1646)加賀藩主前田利常の寄進によるものといわれている。
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