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更新日:令和6(2024)年2月8日
ページ番号:389418
(もばらちょうなんかんじんしゃきどうじんしゃ)
茂原庁南間人車軌道人車
県指定有形文化財(歴史資料)
令和2年3月10日
茂原市高師1345-1
茂原市立美術館・郷土資料館
茂原庁南間人車軌道は明治42年(1909)10月に、房総鉄道(現在の外房線)茂原駅前から長南町台向までの約9kmの区間で開業した。軌道の建設費と維持費は、県の土木費のうち道路関係費用から支出されることになっており、軌道の敷設は県内の道路改修計画の一環として計画されていた。レールなどの資材や実際の敷設工事は県下に拠点をおいていた鉄道連隊が行った。また、実際の運営については地元の叺屋(かますや)を中心とした組合が行っていた。
車両は軌道の開業に伴い、東京の服部製作所で製造された新車を導入した。車体は木製で、車輪などの取り付け部分及び車夫が押す部分は鉄製である。取り付け部分には固定用の穴が残っている。車輪を含む下部が欠損しているため、現在は木製の台座の上に乗せられている。当時のモノクロ写真と比較すると、車輪のほか車軸、ブレーキ、ステップ、屋根直下の箱状のもの(実態不明)が欠けている以外に大きな欠損は見られない。総体的に見ると当初の部材の多くが残り、改修部分については、この車両が使用されていたときに破損したために修理されたときの木材と考えられる。台車部分が全く失われ、車体部分しか残されていないが、第2次世界大戦中の鉄材供出等を免れ、その遺存状態は良好である。同時期に全国で運行された人車のうち、車体部分がほぼ当初の原形を留めている唯一のものであり、千葉県の土木、交通史や産業史を考えるうえでも貴重な資料。
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