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更新日:令和5(2023)年7月6日
ページ番号:389416
(けんぽんちゃくしょくりょうかいまんだら)
絹本著色両界曼荼羅(左:胎蔵界、右:金剛界)
県指定有形文化財(絵画)
令和2年3月10日
千葉市若葉区金親町(金光院)
寄託:千葉市立郷土博物館
胎蔵界(たいぞうかい) 、(金剛界こんごうかい) ともに3幅1鋪(絹3枚を縦に継いだもの)で、やや縦長の形式、法量、様式特性が共通し、もとより対幅であったと考えられる。繰り返された修理、改装のため、現状は、両幅とも最外縁部の描き表具が切り詰められている。様式的特性として、平安期以来の本格的な仏画の伝統に則った丁寧な彩色、暢達した線描、尊像表現に見る可憐さと古風な品格に画家の確かな技巧が見て取れる。一方で、文様帯の花文や界線、尊像の宝冠(ほうかん) ・瓔珞(ようらく) 、衣の装飾文などの簡略化にみられる図像理解の曖昧さ、界線部の文様帯にある独鈷文の形式化は制作年代が下降する要素である。また、材質の点では、支持体の画絹が、経糸緯糸が同じ太さであること、かつ目が粗い織りの組成であることから、本作品の画絹は、14世紀以降の特色を示すものと見なされ、どちらかと言えば15世紀から16世紀の作例に近い。可憐で端正な表現は、文様や装飾部位に顕著に認められる簡略化の方向性と相反しており、年代観を難しいものとしているが、制作年代は南北朝期から室町後期までと考えられる。千葉県内に残る中世仏画のなかでも、本作品の古典的で端正な画風、可憐な雰囲気は、特筆すべきものであり、両界曼荼羅の優品である。
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