EULARタスクフォースは原発性シェーグレン症候群に対する国際的な評価基準を作成した。ひとつは自己記入方式の自覚症状を評価するESSPRI(EULAR Sjogren's Syndrome Patient Reported Index)であり2)、もうひとつは全身症状を評価するESSDAI(EULAR Sjogren's Syndrome Disease Activity Index)である3)。日本シェーグレン症候群学会 ESSPRI・ESSDAI小委員会によってそれらが翻訳され日本語版を作成された。その後に発表されたESSDAIの利用手引き4)を踏まえて改定版(2015年9月17日)が作成され、それをこの度PRAJの診療支援ツールとして作成した。
この評価基準を使用するときの注意点として、前回の評価を参照せずに現在の状態を記入すること、病気と関係ない症状を評価しないこと、慢性に経過した(少なくとも12ヵ月間安定した)不可逆的な長期安定した症状は「活動性なし」とすること、そしてシェーグレン症候群に由来しないものは点数に含めないようにすることである。
評価する項目(領域)は全部で12あり、それぞれの( )内の数字は領域の重みを表す。領域毎に点数(活動性なし:0点、低活動性:1点、中等度活動性:2点、高活動性:3点)に重みをかけて領域の点数とする。最後に領域の点数の総合計を求めてESSDAIの得点とする。ESSDAIは 0?123点の値になる。
ESSDAIの点数が5点未満を低疾患活動性(LDA)、5?13を中等度疾患活動性(MDA)、14点以上を高疾患活動性(HDA)とし、ESSDAIが3点以上低下する場合を意味のある改善とする。