HOME > LPガスの正しい使い方 > CO中毒事故を防ぐために
燃焼器は空気(酸素)が不足したままで使用していると不完全燃焼を起こし、CO(一酸化炭素)が発生します。COは毒性がとても強く、少し吸い込んだだけでも、頭痛・吐き気、死にいたる危険性があります。
今日はパン屋の厨房で楽しいはずの「パン作り教室」
パン生地をオーブンに入れて、焼き上がるまで楽しい談笑のはずだったんですが、・・・・・・・
単純な「不注意」や「思い込み」で大変なことに!
換気扇のスイッチの入れ忘れ、オーブン上部の排気扇も止めたまま「認識不足」が大きな要因になります。
事故が起こった後、「知らなかった」では済まされません。
正しい知識をもとに、「業務用換気警報器」の設置はもちろんのこと安全に向けた正しい判断、正しい行動ができれば
「CO中毒事故」は未然に防ぐことができるのです。
LPガス自体には毒性はありません。しかし、不完全燃焼を起こすとCOが発生します。COは、きわめて強い毒性をもっており、その物性は空気とほぼ同じ比重で、無色・無臭のためほとんど存在に気がつきません。わずかでも吸い込むと中毒を起こし、死につながります。
CO濃度 | ppm | 呼吸時間および症状 |
0.02% | 200 ppm | 2~3時間内に軽い頭痛 |
0.04% | 400 ppm | 1~2時間で前頭痛 2.5~3.5時間で後頭痛 |
0.08% | 800 ppm | 45分で頭痛、めまい、吐気 2時間で失神 |
0.16% | 1600 ppm | 20分で頭痛、めまい 2時間で致死 |
0.32% | 3200 ppm | 5~10分で頭痛、めまい 30分で致死 |
0.64% | 6400 ppm | 1~2分で頭痛、めまい 10~15分で致死 |
1.28% | 12800 ppm | 1~3分で死亡 |
※たとえ0.01%(100ppm)であっても幼児などの場合では、数時間でけいれんを起こすこともあります。
燃焼器を使用する際は、日頃から以下のようなことに注意してご利用ください。
換気をしない長時間の使用ストーブ、ガスファンヒーターは1時間に1~2回、窓を開けて換気してください。 |
風呂がまと換気扇の同時使用屋内に排気筒のある風呂がまは、台所や脱衣場の換気扇を同時に使用しないでください。 |
小型湯沸器の危ない使い方お風呂のお湯はり、シャワーなどの長時間使用は不完全燃焼の原因となり、大変危険です。 |
小型湯沸器の給排気は |
室内に排気筒のある風呂がまの給排気は |
屋外から給排気する燃焼器は |
CO警報器は/ガス警報器は※警報器の交換期間は5年です。 |
ガスをご利用のご家庭で、古い湯沸器や風呂がまを使っている方はいませんか。不完全燃焼を起こすのは古くなった燃焼器をお使いの場合が多く、不完全燃焼防止装置が付いていない燃焼器では、不完全燃焼を起こしても燃え続けてしまいます。
不完全燃焼防止装置が付いていない古くなった燃焼器をお使いの方には、燃焼器の交換をお願いたします。
不完全燃焼防止装置が付いていない 瞬間湯沸器 | 不完全燃焼防止装置が付いていない 排気筒のある湯沸器 | 不完全燃焼防止装置が付いていない 煙突のある風呂がま |
排気筒・煙突のついたガス器具をご使用の場合、煙突の外れなどでCO中毒事故に至る可能性があります。
※雪おろしの際は、排気筒・煙突に損傷を与えないように十分注意してください。 |
不完全燃焼防止装置のついていない、古い燃焼器を使用していたために発生したCO中毒事故を2例紹介しましょう。
事故は何故起きたのでしょうか。事故を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。
このお宅では、不完全燃焼防止装置の付いていない古い風呂がまを使用していました。
事故の原因は、まず奥さんが入浴中にお風呂場の給気口をふさいでしまったこと。そして、更にご主人が隣室の換気扇を回してしまったことです。
そのため密閉状態となったお風呂場から空気が吸い出され、唯一外とつながっているふろがまの煙突から、排気ガスと一緒に空気を吸い込みます。
排気ガスの混じった空気で燃え続ける風呂がまは不完全燃焼を起こし、COを発生したのです。この事故では夫婦2名が亡くなられました。不完全燃焼防止装置が付いていれば防げた事故でした。
このお宅では、不完全燃焼防止装置の付いていない古い小型湯沸器を使用していました。
奥さんは、換気扇を回さずに、台所で長時間にわたって洗い物をしていました。ところが小型湯沸器の排気口にあるフィンが汚れで目詰まりを起こしており、排気ガスがうまく外にでなくなったために不完全燃焼を起こしたのです。
湯沸器はCOを発生しましたが、ご家族は誰も気がつかず、CO中毒事故が発生してしまいました。
この事故では家族3名が亡くなられました。
この事故も不完全燃焼防止装置が付いた湯沸器を使用していれば防ぐことができたのです。