救急隊が到着するまでの間に行うことができる救急・応急手当をご紹介します。
脳は、人間の身体各部機能や、生命維持を司る重要な器官です。一部でも脳の機能が損なわれると、損なわれた箇所・範囲に対応する身体各部が機能しなくなります。脳はまた、正常に機能するために多量の血液(血液によって運ばれる酸素や栄養素)を必要とします。
脳の中、または脳の近くの血管が突然破れたり、血管の中に血液のかたまりができ、脳の血液循環が悪くなることによって起こります。
最も多く起こるのは、動脈硬化によって狭くなった脳の動脈の一部に血の固まり(脳血栓)ができ、そこから先へ血液が流れなくなり、その部分の脳が活動できなくなってしまう「脳梗塞」です。
また「脳出血」は、高血圧などのため、脳の血管が破れて脳の中や表面に出血が起こるものです。特に脳の表面で血管が破れて出血が広がるものを「くも膜下出血」といいます。くも膜下出血の原因の多くは、瘤(こぶ)状に膨らんだ脳の動脈(頸動脈瘤)の一部が破れて出血することです。
脳卒中は、「がん」「心臓病」とあわせて、日本における三大死亡原因(三大疾病)とされており、毎年11万人もが生命を失っている病気です。この恐ろしい病気の予防には、日頃から節制に努めるなど生活習慣を見直すことはもちろん、定期的に健診(健康診断・人間ドックなど)を受け、原因となる動脈硬化や高血圧を抑える必要があります。