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試合を導いていく楽しさを追求する高校生審判員 野沢北高校 佐藤快
2023年11月29日
大舞台でも堂々とジャッチをする佐藤審判員1
大舞台でも堂々とジャッチをする佐藤審判員2
淡色と濃色のユニフォームに分かれた日本屈指の強豪校が、何度も試合に挑む「U18日清食品トップリーグ2023」。選手だけではなく、テーブルオフィシャルやモッパーなどゲームに欠かせないスタッフがリーグ戦を円滑に進め、その中には高校生も活躍していました。女子最終日となった11月18日の2試合目、札幌山の手vs精華女子のコートでモノトーンのウェアを着て選手の間に立ち、ゲームを進行する審判員を毅然と務めたのは、野沢北高校3年の佐藤快審判員です。
「このような大舞台を用意していただいたことに感謝しながら、高校生として今の自分を表現することしかできないと思っていました」と話し、持てる力を発揮した佐藤審判員は清々しい笑顔で感想を述べました。
先にバスケをはじめていた兄と姉の試合を見ていたとき、「審判がとても輝かしい存在に見えました」という経験をきっかけに、中学2年生にはライセンスを取得。JBAには公認審判員のライセンス制度(http://www.japanbasketball.jp/referee/)があり、中学生から取得できます。E級からスタートし、佐藤審判員の胸にはU18世代が取得できる最高位のB級ワッペンが輝いていました。
オリンピックやFIBAバスケットボールワールドカップでも実績がある平原勇次審判員がクルーチーフをつとめ、1stアンパイアの比嘉竜也審判員とともに、2ndアンパイアとしてこの試合を担当した佐藤審判員。観客スタンドでは、JBA公認プロフェッショナルレフェリーの加藤誉樹審判員と漆間大吾審判員が視察に来ており、試合前後にはアドバイスをいただく貴重な機会もありました。
あらためてこの試合を振り返る佐藤審判員は、「ポジションの位置取りなどまだ甘い部分があり、判定に遅れが出てしまったり、しっかり見られていなかったりする部分があったと思います。この課題を地元に持ち帰って、しっかりと活かしていきたいです」と反省点を挙げましたが、ここがスタート地点です。
野沢北高校バスケ部では審判とともに、選手としても活躍してきた二刀流。異なる2つの立場で携わることで、よりバスケの奥深さや楽しさを実感しています。
「選手として、特にこのような大舞台に出ることができれば、多くの人に自分が努力してきたものを見せることができ、すごく気持ちも昂ぶります。やっぱり応援されることが、選手にとっては一つの大きな存在だと思います。その選手たちを引き立てるためにも、かけ離れない存在が審判です。試合を運営する上での審判は、選手やテーブルオフィシャルなどいろんな人たちと関わることができる楽しさがあります」
今後は大学へ進学し、教員になる目標とともに、「Bリーグで審判することを目指し、自分自身を高めていきたいです」と夢を抱きます。BリーグやWリーグなど日本最高峰のリーグだけではなく、先に名を挙げた先輩審判員同様に世界の舞台で活躍するチャンスもあり、その可能性は無限大です。最後に、佐藤審判員はその楽しさについて語ってくれました。
「自分の判定に対して選手が不満に思ったり、ナイスジャッジと言ってくれたり、賛否両論があります。また、どちらにとってもその判定が良いとは言えないようなときもあります。また、良い判定だと思っていても、さまざまな意見があります。それらすべてを踏まえて、やっぱりバスケはいろんな楽しさがあるんだな、いろんな人たちの思いがあるんだなと感じます。だからこそ自分の信念を曲げずにファウルはファウル、ダメなものはダメとジャッジする。判定を決めて試合を導いていく楽しさが、審判にはあると思います」