BEAT主義日記 the principle of beat hotei official blog

  • babylon standard
  • my space
  • hotei mobile
  • beat crazy
  • the principle of beat

2010年1月アーカイブ

2010年1月31日

* ZEPP TOKYO

東京公演も大成功!
バンドも、スタッフも2公演目にして、息もバッチリ。
参加してくれたオーディエンスの皆さんも最高に熱かった。
素敵なバースデー・ソングの大合唱、ありがとうね。
胸が熱くなりました。

客席にはシカゴのロバート・ラムさんの姿も。
終演後お食事を御一緒しましたが、ショウをとても楽しんで下さったとのこと。
そして、ファンの皆さんとの絆の深さに感動した、とおっしゃって下さいました。
とても嬉しく、誇らしかったです。
2/18の追加公演では、少し内容も変えようと思っていますので、是非また会いに来てください。

今回のツアーはスーツ・ツアー。
楽屋で印象的なのは、ご覧のようにたくさんのシャツとネクタイが並んでいること。

back stage.jpg

今回のスタイリングはすべて自分で選んでいます。
その日の気分でコーディネートしたいと思い、衣装ケースに積んでもらいました。
スーツの袖には、やはりダブルカフスのシャツが美しく、
今回はステージで初めてカフスもはめています。
ギターを弾くのに邪魔かな?と心配しましたが、全然問題なし。
シャツの腕を捲るとき多少手間がかかりますが、それもまたよし。

back stage 2.jpg

東京公演にはたくさんのアーチストの方々も駆けつけてくれました。
雅くん、 LOVEちゃん、シドのSHINJIくん、石垣くん、大西くん。
終演後の楽屋にて他の皆さんと記念撮影。

back stage 3.jpg

右から俺、立花ハジメさん、白石美帆ちゃん、大工の哲くんとななちゃん、森雪之丞さん、長谷川博己くん、
劇団新感線のいのうえひでのりさん、そして小渕健太郎くん。

後に森さん、いのうえさん、ハジメさんと合流し、楽しい打ち上げ会。
ロック談義に花咲く男の一夜でした。

皆さん、ありがとう。



そして一夜明け、30日が東京文化会館にてH.Rカオスのステージを鑑賞。
本当に素晴らしいステージでした!
白川さん、大島さん、そしてカンパニーの皆さん、大友さんの指揮によるオーケストラの皆さん、
世界に二つとない素晴らしいステージをありがとう。
最後のボレロでは涙が出ました。
明日から、自分もまた。、もっと高みを目指し頑張ろうと思わせてくれる、力強いステージでした。



さて、次は大阪!
きっと名古屋、東京にも負けずと劣らぬ熱さで迎えてくれるのを期待していますよ!
しかし、くれぐれも前に押し寄せるのはやめて下さいね。
互いを気遣いクールに燃えましょう。


SEE YOU SOON!!!!







毎ツアー、ファンの皆さんに喜んでもらえるグッズを、スタッフと共に企画します。

今回はZEPP TOURということで、クラブギグには欠かせない必須アイテムと、
皆さんが気軽に身につけてもらえるものに焦点を絞りました。

今回のツアー・ロゴは音符をポップにデザインしたもの。
各アイテムともに、クールで鮮やかに仕上がりました。

onpuT.jpg

赤Tは女の子に似合います。

taoru.jpg

2トーンは永遠のロックン・ロールシンボル。

eristband.jpg

リストバンドもとてもかわいい。
名古屋でさっそく腕に巻いて拳を振り上げる人達も、ステージから観るととても目立っていました。

modernT.jpg

こちらは「MODERN TIMES ROCK'N'ROLL」をあしらったシックでクールなTシャツ。
名古屋のアンコールで達也くんも早速着てくれていましたね!
俺が着ようと思っていたのに...(笑)。

lighter.jpg

キュートなライター。

lighter2.jpg

そして携帯灰皿。

m_ashtray.jpg

愛煙家に限らず、ライターはお香を焚いたりするときに、
そして携帯灰皿はデザインもすっきりしているので、携帯ピル・ケースとして使ってもいいと思います。

その他にもキーホルダーやブレスレット、携帯ストラップやスエット・シャツ、バッジセットなど。

どのアイテムも素材を厳選し、細部に至るまでこだわった自信作。

どうぞ、会場で、そしてネットワークを通じてご購入くださいね。


BABYLON STANDERDの方も新作が加わりました。
今回は
『ROCK? OR NOT?」
というメッセージを美しいデザインで。
大人は似合います。


いよいよ明日は東京公演。

皆さん、準備はいいですか?

大いに楽しんでくださいね!!!




2010年1月27日

* 太陽を求めて

昨日はあまりに天気が良かったので迷わずBEACHへ。

途中のコンビニで買ったおにぎりも、海を眺めながら食べればごちそうです。

beach11.jpg

娘からの誕生日プレゼントの赤い首輪がお似合いのルーリー。

beach3.jpg

タヒチ土産で買ったストローハット。思った通りインテリアにピッタリ!

beach5.jpg

サイズはルーリーにピッタリ!

beach6.jpg

美しい夕陽に後ろ髪を引かれながらBEACHを後にします。

beach1.jpg

「ロスト・イン・トランスレーション」の素晴らしいサントラを聴きながら、夕焼けの高速を走る。

どこでもない世界にワープする心地よさ。

疲れも吹き飛んでしまいます。

夜は森雪之丞さんと新年会。

楽しくラムを頂きました。


東京公演ももうすぐ。

明日はグッズをご紹介しましょうね。








いよいよ『ROCK A GO! GO! TOUR』が始まりました!

初日の名古屋から最高のスタートです。

ZEPPはステージとオーディエンスの距離が近く、音もダイレクトに響くので、本当に一体感があります。

昨夜は多いに盛り上がりましたが、なによりも嬉しかったのは、男性諸君がとてもジェントルマンであったこと。
スタンディングの女性たちを気遣う姿がステージの上から、ちゃんと見えました。
クラブギグの場合、一歩前に出てもさほど距離は変わりません。
逆に一歩引いて充分なスペースを作り、歌って踊って楽しんでほしい。
そうMCで言わせてもらおうと決めていたけど、言わずもがなその気持ちに応えてくれたみんなを、とても誇らしく思います。
どうか名古屋のジェントルメンたちのように、他の会場も気持ち良く皆が楽しめますように!

そして今回は終演後にバック・ステージ招待のファンの皆さんと短い時間ですがお会いします。
昨夜も5人の皆さんと楽屋でお会いしました。
ライブの興奮冷めやらぬままファンの方とお会いするのは、なんとも楽しい!
皆さん、ずいぶん緊張していましたけどね!(笑)

東京からわざわざTOKIEちゃんが観に来てくれました。
そしてオリンピックを間近に控えた小塚崇彦くんも、終演後楽屋を訪ねて来てくれました。
静かで穏やかな彼ですが、瞳の奥には情熱と自信がうかがえます。
オリンピックをとにかく楽しんできてください!とお伝えしました。

w:kozuka.jpg

娘にサインを頂いちゃいました。

taoru2.jpg

ニュータオルも使ってくださいね!


次はいよいよ29日の東京です!

熱い夜にしましょう!!!


リハーサルが終了しました。

上々の仕上がりです。
モダン・タイムスからの曲はもちろんのこと、懐かしいナンバーや、ステージ初披露の曲など、
盛りだくさんの内容です。
ここ数年のツアーでも一番ギターを弾き倒しているかも。
指がツリそう!
新しいギターも登場します。
参加してくれるオーディエンスの皆さん、思いっきり楽しんでくださいね!
最高のパーティーにしましょう!!!

guitars 1.jpg

guitars 2.jpg

システム・ラックが新しくなりました。

new rack.jpg

達也くんの新しいグレッチ。カッコいいし音も最高!

gretch.jpg




そして、今日はルーリーの3歳の誕生日。

こんなに小さかったのに...。

lurie.jpg

娘が作った「3さい、おめでとう!」の垂れ幕の下、「大人の女」なこの表情。

lurie 2.jpg

ルーリーも、そしてルーリーと巡り会った我々も、幸せものです。


世界中でおよそ600万人の子どもたちが
毎年、1歳の誕生日さえ迎えられず亡くなっています。
そんな現状を変える為に少しでも力になれたら、と
日本ユニセフ協会の『HAPPY BIRTHDAY DOWNLOAD for Children』キャンペーンに
参加させていただいています。
「ハッピーバースデー」は命あることへの感謝の言葉。
是非皆さんもたくさんの「ハッピーバースデー」をダウロードして、子供たちにお祝いのメッセージを伝えられるよう御協力お願いします。

今日も心穏やかな一日でありますように。




2010年1月18日

* 冬の朝

ハイチ大地震の被害が心配です。
阪神大震災から15年という時だけに、生々しく感じます。
一人でも多くの命が救われますように。

東京は朝ピリッと冷え込むようになってきました。
しかし群馬県で生まれ育った自分にとって、これしきの寒さなど寒さのうちに入らない。
冬は朝一面に霜がはり、水たまりは凍り、水道の蛇口も凍ってお湯をかけなければ水が出ない状態。
つららもよく見たし、山々から吹き下ろす風は冷たく、あかぎれやしもやけも日常茶飯事。
ピューピューと北風の音、その風にのって風花が舞う日もありました。

毎日のルーリーとの散歩。
正直「今日は面倒くさいなぁ」「もうちょっと寝ていたいなぁ」という日がない訳ではありませんが、
クゥーン、クゥーン、とせつなく鼻を鳴らされてはたまらない。
「よし、行こう!」と家を一歩飛び出せば、朝の光と朝の匂いが心地よくて嬉しくて、
新しい一日の始まりをポジティブに迎えることができるのです。
「おはようございます!」
近所の愛犬家の皆さんと朝のご挨拶を交わすのも気持ちよいものです。

いつも行く公園に柵に囲まれたフィールドがあり、いつもその中でストレッチをしている美しい人がいる。
といっても、彼女は遠くにいていつも向こう側を向いていて顔は見えないのだが、
静かにゆっくり落ち着いて、肩や首、背中や腰、腕や足を入念にストレッチしているその姿はとても優雅に見え、
つい見とれてしまう。
アスリートの方なのかな?と思えるほど、一つ一つの動きに無駄がない。
つられて自分も立ち止まり、彼女の動きに合わせてストレッチをすることもある。
そして先日ショックなことがあった。
いつものルートで朝の散歩をしていると、あちら側から見覚えのあるトレーニング・スーツを着た人が歩いてくる。
あのストレッチの方だ!
勇気を出してお声がけしようか、などとドキドキしているうちに、その人が目の前にきた!
そして絶句...。
なんとあの優雅で美しいシルエットのお人は

おじさん、だった。

小柄で品のいいニコニコおじさん。

昔、BOSSのコマーシャルでゴレンジャーと戦う、という撮影が終わった後、
モモレンジャーが楽屋に挨拶に来るというのでドキドキしながら待っていた。
失礼します!と入ってきてモモレンジャーがマスクをとったら男が出てきてガッカリどころか、
腹が立ったことがあるのを思い出した。


リハーサルは順調です。

そろそろ通しリハーサルかな。

そんな中、ちょいと海にエスケープしてきました。

美しい海と空。

chiba 1.jpg



美しいドーベルマン。

chiba 2.jpg





2010年1月14日

* ツアー・メンバー

新しいバンドとのリハーサルも順調に進んでいます。


いやぁ、今回のバンドは凄いよ!

ドラムはミスタ−・ロックンロール、中村達也
先日のB.C.ONLYでも叩いてもらいましたが、やはり達也くんのドラムはカッコいい。
パンクでオルタナティブで豪快かつ繊細なビートは、今回もバンドの要です。

ベースはナスノミツル
東大寺、G.V.TOURでも一緒だった凄腕ベーシスト。
とにかく安心して低音を委ねられるんです。
かといって保守的なプレイヤーではなく、とてもアバンギャルドなところが大好き。

キーボードに小島良喜さん。
久しぶりに『THE ピアニスト』がバンドに加わったおかげで、今までとは全く違うバンドサウンドになっています!
ニューオリンズ仕込みの惚れ惚れするようなグルーヴィーなプレイで、バンドをグイグイ引っ張ってくれます。
ホンキートンク、ブギウギ、カントリー、ジャズ、ファンクなどなど、全てのジャンルをミクスチャーしたスタイルと、HOTEIのタテノリBEATが融合するとどんな音になるのか、
どうか皆さん楽しみにしていて下さい!!!

そして今回は2人の女性コーラスの方が参加くれます。

村石有香さんは、東大寺でのライブ以来の参加。
数多くのアーチストのサポートで活躍されている実力派。
スタジオの空気をパッと明るくしてくれる、とても素敵なシンガーです。


そしてBUNNYちゃん
彼女は石垣愛(意思が気合い)くんとROCK STEADYというユニットを組んでいる(いた?)ボーカリスト。
以前FM番組でオーディションの審査員をやったときに彼女達の音源も聴き、パンチの効いた歌声が強く印象に残っていたのですが、
先日アストンをドライブしている時、i-Podを大音量でランダム再生していたら、いきなりその時の彼らのデモ音源が流れ、
「あぁ、彼女の声が欲しいな」と思い立ち、早速石垣に連絡して今回の参加につながったという、これもご縁と言えばご縁。
スーパーキュートながらバシッと腰の入った力強い声で、野獣達のビートに華を与えてくれます。

俺&達也の『一発入魂組』、ナスノ&小島の『敏腕組』、有香&BUNNYの『セクシーダイナマイト組』で、日本のROXY MUSICを目指します!

今回の『ROCK A GO! GO! TOUR』は決してカバー曲だけのツアーというわけではなく、
この素敵なバンドと、ロックンロールなスピリットで『なんでもやっちゃおう!』というツアー。
リハーサルでは毎日5曲ずつ、3日目にして15曲に手をつけました。(凄いペース!)
最終的なセットリストを作りにはまだ時間がかかります。
何故ならこのバンドは無限の可能性を持っているから。
おなじみのパーティー・チューンからプログレッシヴなインスト、そして懐かしいバラードや涙が出るほど痛いパンクまで、盛りだくさんの内容で皆さんと一緒に楽しみたいと思います。

どうぞ楽しみにしていて下さいね。

band.jpg




2010年1月12日

* 成人の日

晴れて成人の日を迎えたみなさん。
おめでとうございます!
そしてそろそろ我々の世代では、息子さんや娘さんが成人を迎えたという方も多いことでしょう。
我が子の成長への大きな喜び、そして時間の過ぎ行く速さを感慨深く感じてらっしゃることと思います。
20代は大いに冒険をし、様々な出会いや体験から多くを学び吸収する時期。
のびのびと青春を謳歌してほしいと思います。


タヒチでの穏やかな休暇から戻り、いよいよツアーのリハーサルがスタートしました!

初日から飛ばしています!
メンバー紹介は次回のブログで。


昨夜は帰国している松井秀喜くんと久しぶりに電話でお話しました。
「あなたの素晴らしい活躍がどれだけ多くの人に感動と勇気を与えたか、感謝の気持ちでいっぱいです」
と伝えました。
ライブ、観に来てくれるといいな。

少し日焼けした肌に島の思い出を抱いて、新しい気持ちでかき鳴らすギター。

みんなと会える日が楽しみです。


tahiti last2.jpg







タヒチは雨期。

重々しい暗い雲と横殴りの雨が続く。


雨ばかりの島なんて、昔なら興醒めだったはずだけど

ところがどうしてこれが意外と悪くない。

雨雲の去った後に広がる晴れ間がまた心地よい。

灼熱のISLANDより、大人びてSEXYだ。


高知訪問以来、急に身近に感じられた坂本龍馬。

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を持ってきたが、この青い海には似合わず。

ヘミングウェイの「老人と海」を読んでいる。

こちらも昔何度となく読んだ記憶があるものの、今読むとその静かで重厚な文章に改めて心揺さぶられる。

海は広く、どの海も世界に繋がっているが、違う心で見つめると物語が変わる。


ライカのM8は旅には欠かせない。

小さなライカD-LUX 3と水中で動画も撮れるXACTIも持ち歩く。

島ではシャッター・チャンスの連続だ。

浅瀬の海を小さな離島まで歩く。

海鳥が仲良く並んで風を待っている。

その日の夜、ファイルをPCに移しながら、できたての思い出を一コマずつ振り返るのもよい。


以前はTシャツと短パンが島で過ごす為のファッションだったが今回はスーツも持ってきている。

といってもタイまでしめるフォーマル・スタイルではないが、

ジャケットを羽織るだけでサンセットを眺める気分も変わるものだ。


昼間はプールサイドでローカル・ビールの「TAHITI BEER」を。

夜はデッキで「HAVANA CLUB」のロックと葉巻を。


cotage.jpg


leica.jpg


bird 2.jpg


bird.jpg


beer.jpg


me 2.jpg


rum.jpg


波の音に揺られて静かに眠ることの幸せよ。


2010年1月 5日

* On The Island

タヒチにいる。


昔からいつかは必ず行きたいと思っていた憧れの島だ。


バリ島に始まり、マウイ島、ハワイ島、モルディブ、プーケット島、ジャマイカ、地中海のマヨルカ島、

レコーディングでもカリブ海のモンセラット島、ナポリ湾のカプリ島など、アイランド・トリップの思い出は多い。

空と海と風に囲まれて過ごす穏やかな至福の時間。

文字通り心が洗われる。

島の人々のおおらかな笑顔は、都会に住む者にとって太陽のように眩しく

忘れてしまいがちな大切なものを思い出させてくれる。

都会では矢のごとく瞬く間に過ぎてゆく一日が、島では緩やか且つドラマティックだ。

「陽は昇り、また沈む」ことが、いかに壮大なことであるかを思い知らされる。


そして島は宇宙を感じる格好の場所でもある。

地球の無数の島々が、宇宙の無数の星と繋がる。

タヒチのビーチは大好きなカール・セーガン原作のSF映画『コンタクト』の宇宙の浜辺を思い起こさせる。

音楽もブライアン・イーノの『アポロ』がよく似合う。


水上コテージでもインターネットは繋がっているが、携帯は圏外だ。

新年の御挨拶メールを送ってくださったであろう友人諸君、返信できずにごめんなさい。

代わりにタヒチの風を送ります。


TAHITI 1.jpg


TAHITI 2.jpg


TAHITI 3.jpg


TAHITI 7.jpg







2010年1月 1日

* 寅ちゃんと寅さん


あけましておめでとう!


新しい年の始まりを、心穏やかに過ごしていらっしゃいますか?

どうぞ皆さん、今年もよろしくお願い致します。


さて、今年は寅年。

そう、自分は年男であります。

年男も久しぶりだ。
それはそうか、12年振りか。
ということは次の年男は60歳か!!?
人生、年男、年女が巡ってくるのも、よほど強運でも9回。
7度か8度も迎えられたら、ありがたいものなのですね。

干支にちなんで元旦からあらゆるところで『寅』ずくし。
『布袋寅泰』の『寅』は、『寅年生まれ』ゆえに付けられた名前。
『トモヤス』と呼ぶのも当て字でしょう。
昔から『ぬのぶくろとらやす』『ふたいとらたい』『ふぶくろ』(独りコブクロかいっ!)
ひどい時は何故か『ぬのぶくろとらぞう』などと読まれたこともある。
小さな頃は父母から『寅ちゃん』と呼ばれました。
『トモちゃん』ですよ。
『トラちゃん』ではない。

そんな『寅ちゃん』と『寅さん』の話をひとつ。

BOφWYがまだブレークするちょい前の時期、JUST A HEROツアーの頃かな?
代官山にある東急アパートという、当時もっともモダンとされていたアパートに住んでいた。
家賃の半分も給料をもらえていない頃でした。
そのアパートには多くの文化人の方々が住まわれていた。
浅野温子さんや今野雄二さん、細野さん、著名なカメラマンやデザイナー、スタイリストさんなどクリエイティブな人ばかりで、
まるで良き時代のパリのアパルトマンのようだった。
ハリウッド・ランチマーケットがとびきりお洒落で、ゴルチエのフラッグ・ショップが初めてオープンした頃。
その日はツアーで札幌に向かうため朝から荷造りをし、ゴロゴロとスーツケースを転がしエレベーター・ホールへ向かうと、
ヴィンテージのヴィトンのスーツケースを両脇に置いた紳士が立っていた。

渥美清さんだった。

品のいいコートを羽織られた寅さんがこちらを向き、にっこりと微笑んでくださった。
俺は深々と頭を下げた。
到着したエレベーターに二人で乗り、渥美さんが1階のボタンを押した。
ラバーソウル履いて頭を逆毛立て黒装束の2メートル近い宇宙人みたいな俺。
心臓がドキドキした。
寅さんだもの、誰だってドキドキしますよ!
ゆっくりエレベータが下がるなか、ポツリと寅さんが寅ちゃんにスクリーンの中のあの口調でこう言った。

「旅ですか」

突然の一言になにを思ったか、寅ちゃんは咄嗟に答えた。

「はい。北のほうへ」

その後何度か元旦に寅さんが『男はつらいよ」カレンダーを持って訪ねてきてくれた。

「つまらないものですが、台所の隅にでも貼ってやってください」


渥美さんが亡くなられて、もう何年になるのだろう。
今も人々の心に温もりを与え続ける偉大な人。
年男となり、ふと彼を思い出すと、自分は足元にも及ばないな、とつくづく思う。

今年は初心に立ち戻ろうと思う。

この先、努力もしないで夢が叶うはずがない。

一からやり直すつもりで、ギターと向き合いたいと思う。



「旅ですか」



「はい。南のほうへ」

TORA.jpg