都内で緊急会見を開いた日本体操協会 左から原田コーチ・西村専務理事・藤田会長[7月19日]
体操女子でパリ五輪代表の主将に選ばれていた宮田笙子(19=順大)が喫煙の疑いでチームを離脱した問題を受け、日本体操協会は19日、都内で緊急会見を開いた。
宮田との事実確認を経て、同氏のパリ五輪出場辞退を発表。藤田直志会長は「サポート体制が不十分だった」と協会側の不備を認めた。
会見には同協会の藤田直志会長、西村賢二専務理事と宮田が所属する順大・原田睦巳監督(日本代表コーチ)らが出席。冒頭、藤田会長は「心からお詫び申し上げたいと思います。本当に申し訳ありません」と深々と頭を下げた。
会見で沈痛な面持ちの藤田直志会長
喫煙と飲酒が発覚
協会によると、宮田は喫煙疑惑を受け事前合宿地のモナコから18日に帰国。都内で聞き取り調査に応じた。
その結果、6月末から7月にかけて喫煙行為を行ったことが発覚。
さらに同時期、トップアスリートの国際競技力を向上させることを目指した施設、味の素NTC(ナショナルトレーニングセンター)内のアスリートビレッジで飲酒行為をしたことも発覚した。
記者から喫煙などに至った原因を問われると、西村専務理事は、聞き取り調査の中で宮田が「自分の競技目標に対し数々のプレッシャーがあり、そのような行為に及んでしまった」と語っていたことを明かした。
また、藤田会長は「日本代表の体操選手というのは、常に高いプレッシャーを求められる。それを達成しなければならないという、数々のプレッシャーに日々、さらされている」とコメント。
「もちろん本人たちは必死に練習・努力をしています。しかし、体操協会として、そういった選手へのサポートは十分であったか。
メンタル的なサポート体制は十分であっただろうか。協会内にサポート体制を作ったとしても、“協会にバレてしまう”ということから相談しにくかったのではないか」と反省し
「選手たちをサポートしてあげられる体制が不十分であったために、結果としてこの事象が起こってしまったとうのは、一つの理由であったと私自身は考えました」と説明した。
宮田は21年東京五輪後に現れた新エース。22年世界選手権の平均台では銅メダルを獲得し、今年4月の全日本選手権で初優勝。
5月のNHK杯では大会直前に左内転筋を痛めるも3連覇を達成し、初の五輪出場権を獲得し、60年ぶりの団体メダル獲得へ期待がかかっていた。
[via:スポニチ]
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2024/07/19/kiji/20240719s00067000159000c.html
経緯を説明する西村専務理事
本人は「かなり憔悴」
記者から宮田の様子を問われると、西村専務理事は「神経をつかい、かなり憔悴している様子がうかがえた」と報告。
「しかし、気丈にしっかりと話をしてくれました。規則という重みを宮田選手は凄く理解をしておられて、なおかつ自分の行為に対し、真摯(し)に向き合う姿勢が印象的でありました。“さすが”だと」
と、聞き取り調査に応じた宮田の印象を語り、「(聞き取り調査中に)苦しい場面もありましたが、正直に、素直に、しっかりと話をしてくれました」と説明した。
[via:スポニチ]
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2024/07/19/kiji/20240719s00067000154000c.html
会見中、涙を拭う原田コーチ
内部からのチクリで発覚
事態の発覚は、モナコにいるチーム関係者への通報だった。
「7月15日、宮田選手に関する情報提供が現地モナコの強化本部に入りました」と説明。西村専務理事は内部告発なのかという質問に
「否定はできない。内部の通報者ということは、現地で通報を受けた田中本部長から聞いているので、そうなんだろうと思っている。決して外部の誰かではないと理解している」
と述べた上で、「通報した方の立場も保護しなければいけないという認識を持っている。これ以上のお話は差し控えさせていただく」とした。
日本協会の行動規範には「日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する(2016年度から数年かけて段階的に全面禁止とする)」と明記されている。
[via:スポニチ]
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2024/07/19/kiji/20240719s00067000174000c.html
宮田笙子の床運動[リバプール2022年]
出場辞退が世界に波紋
このニュースに海外各国メディアも敏感に反応。米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』は、
「パリ五輪開幕まで1週間少しの今、日本の体操選手団は大きな打撃を受けたと報じられている」と喫煙疑惑が浮上した宮田の帰国を伝えると、「この衝撃的なニュースはパリで女子体操競技が始まるわずか10日前に届いた」
と記述。東京五輪以来の女子団体でメダルを狙う日本にとって大きな痛手となったとしている。
また、英放送局『BBC』は、このニュースを随時更新。
日本協会の会見内容を詳報し、事態の経緯を報道。喫煙は協会の行動規範に違反することを伝え、「オリンピック出場を辞退することになった」とし、また宮田が「大きなプレッシャーを抱えて日々を過ごしていた」というコーチの言葉も伝えている。
また、2022年にリバプールで行なわれた世界選手権で宮田が銅メダルを獲得していた事実も紹介しつつ、主将の五輪チーム離脱を伝えている。
[via:THE DIGEST]
https://news.yahoo.co.jp/articles/5bb41ff7d5e95a52c14377d7bf43a0100c2ebcb8
宮田笙子の平均台[体操NHK杯2023年]
世論も賛否真っ二つ
飲酒や喫煙で、大会直前での出場辞退。まさかの展開に著名人やネット上などでは賛否が真っ二つに分かれた。
元衆院議員・金子恵美氏
「ルールを守らないことがあったとしたら厳しい処分を受けることも致し方ない」としたほか、
国際弁護士の清原博氏
「代表選手になる際に喫煙に関するルールがあると分かって代表選手になっている。だからきちんとルールに従うべき」
元宮崎県知事の東国原英夫氏
「僕は、18歳成人に飲酒・喫煙は認めるべき派である」
「が、今回これが事実なら、現行法にも代表選手の行動規範にも違反している。残念ではあるが代表辞退は致し方無いだろう」
一方で、辞退に反対の声も。
米山隆一衆院議員
「え?いや流石にそれは酷いのでは?辞退撤回運動を展開したい位です」
ビートきよし
「ごめんなさいしてオリンピック出してやれよ50億どっかやっといて偉そうにしてるクソジジイの方がよっぽどムカつく」「あーあ辞退しちゃった」
前大阪市長・松井一郎氏
「厳重注意で謝罪すれば良いのに、厳しすぎる」
などとコメントしている。一般からも
「たかが飲酒&喫煙で、代表剥奪はやり過ぎだろう」
「自業自得とはいえ宮田笙子選手かわいそう」
「謝罪して終わりでいい」
という意見の一方で、
「五輪でメダルを目指す以上に違反したら才能があっても処分するという姿勢を重視した」
「法令遵守が叫ばれてる時代にこういうことしたら日本代表にはなれなくなるよ」
という声も上がった。
[via:スポニチ]
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2024/07/19/kiji/20240719s00067000259000c.html
宮田笙子の跳馬[体操NHK杯2023年]
他著名人の反応
元陸上選手・為末大氏
「問題だったとは思いますが、代表権を奪うほどではないと思います。どうか冷静な判断をお願いします」
体操メダリスト・池谷幸雄氏
「体操選手って結構、喫煙者多いんですよ。成人ですけども。それがですね、持久力がそこまでいらないっていうところでいうと、そこまで影響はない、絶対ないとは言い切れないんですけど。それよりも精神的プレッシャーっていうのが、やはり体操って大きいんですよね」
「僕の大学の先輩でも、練習中、1種目終わるごとに吸いに行くって人がいたんです。それぐらい1回、1回、練習でもかかるプレッシャー、精神的に来るものはものすごく大きくて。それを和らげるために喫煙する方は選手の中でも結構いました」
ハンドボール男子日本代表・土井レミィ杏利氏
「法律に触れてしまっているという観点から、出場辞退は避けられなかったかな、と」
「それ以上に、精神的な状態からみても、彼女の心を保護するという意味でも、やっぱり今、この状態で競技は続けられないでしょうし」
元東京都知事・猪瀬直樹氏
「つくづく日本人は劣化している。たかがタバコで何を騒いでいるのか。麻薬じゃないんだぞ!!規則尽くめの杓子定規が日本をダメにしてきたのだ。こんな些細なことで19歳の夢を潰すつもりか!」
ひろゆき氏
「他人に迷惑をかける違法行為を咎めるのは当然ですが、 他人に迷惑をかけない喫煙をした19歳がオリンピックの夢を奪われるのは罰としても過大すぎる。」
宮田笙子の床運動[体操NHK杯2023年]
「たかがタバコ」では済まされない
五輪を目前に控えたタイミングでのトラブル発覚について、「選手にとって4年に1度のチャンスを飲酒や喫煙くらいで潰していいのか」という声も聞こえてくる。だが、スポーツ紙記者によれば、
「たしかに、“たかがタバコと酒で……”“宮田選手を批判する人は自分の大学時代を思い出した方がいい”といった声もあるようですが、正直なところ、協会の厳しい対応は致し方なかったと思います。
協会の行動規範以前に、そもそも、未成年者の飲酒や喫煙は日本の法律で禁じられているわけです。日の丸を背負って五輪に出場する日本代表選手の行いとして、問題視されるのは当然と言えます。
少なくとも、これまで五輪の日本代表選手が“未成年者の喫煙や飲酒”によって取り沙汰されたことは記憶にありません」
その一方で、関係者によれば、体操選手は常にストレスと向き合っているという。
「特に女子の体操選手は、成長に伴って比較的脂肪がつきやすい面があるため、食事の量や中身まで制限されるような厳しい体重管理が求められます。
また、競技の性質上、一瞬の判断ミスが選手生命を脅かす大ケガに繋がるのも事実。さらにメダルへの期待などが加わって、精神的に追い込まれる選手は少なくありません。
そのせいで他の種目と比べ女子選手の引退時期が早いとも言われています。そうしたストレス過多な環境のはけ口として、喫煙や飲酒に走った可能性は否定できません」
宮田笙子の床運動[体操NHK杯2023年]
痛々しい両足のテーピング
実際、パリ五輪の女子団体メンバーは5人全員が10代で、19歳の宮田選手は最年長のひとりである。ちなみに、宮田選手は2004年9月21日生まれなので、2ヵ月後には晴れて20歳となり、喫煙と飲酒は法的に問題なくなるところだった。
また、宮田選手は過度なストレスに加えて、常にケガに悩まされ続けてきた。
彼女がパリ五輪代表への切符を手にした5月のNHK杯。しなやかに躍動する、鍛え抜かれた両足は、しかし、明らかに痛々しい様子だった。
古傷の右かかと、内転筋を痛めた左太ももがテーピングでがっちりと固められていたのだ。だが、圧倒的な脚力と天性のバネを活かした演技で、宮田選手は見事に大会3連覇を成し遂げた。
5月29日にデイリー新潮で配信された記事では、ロンドン五輪に出場した解説者の田中理恵さんがこう評している。
「日本の美しい体操は必ず高い評価を得られるでしょう。宮田を軸にミスなく演技すれば、団体のメダルは夢ではないと思います」
“軸”となるエースを欠き、日本代表は正念場を迎えている。
[via:デイリー新潮]
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/07191705/
ネットの反応
・バレちゃったからには出場停止にせざるを得んだろ
・さすがに厳しすぎる
・しれっと罪状増えてて草
・しかも五輪終了する頃には二十歳とな…
・たかが喫煙くらいでオリンピックを辞退しなきゃいけないなんて日本はどうかしてるよ
・うわー密告かー
・同じ代表の選手からの通報だろう
・ヤニとアルコールの臭いに我慢の限界でチクられたか
・密告したからって、代表に繰り上げられる人はいないのにな
・他の選手からしたら、そういうのが許せなかったんだろう
・なんで「内部通報」だと言っちゃうんだろう 犯人探しをさせるつもりなのか
・高校時代の飲酒停学のソース出てきたな
・同情の声が上がるのが謎
・ごめんなさいで済む話やろ
・窮屈な世の中だな
・スケボーは20歳未満飲酒処分も名前非公表で五輪予選出場
・さすがにトレーニングセンターでの飲酒はやりすぎだな
・成人なのに
選挙権は18.飲酒喫煙は20.健康問題だとしても納得できない人は多いんでは?
処分されてるのはミヤタだけじゃないこと知らんの?
日本の血税で派遣される代表が、未成年飲酒喫煙だとどう思う?プレッシャーあると正当化?なら、飲酒喫煙やセックス漬とか、果てはヤク漬になるんじゃないの?