テレビの深夜枠を代表する人気シリーズ「孤独のグルメ」(テレビ東京系)。松重豊演じる主人公の食事シーンと心理描写を中心としたドラマだ。
放映後、登場した店には長蛇の列ができるのだから、グルメファンとしては気になるところ。今週から2回に分けて、昨秋放送されたSeason5の中から、原作者・久住昌之氏が記憶に残っている店を挙げてもらう。裏話も満載だ。
制作スタッフが足を使って探しに探した店だけあり、どこも超ハイレベル。ドラマの後に放送される「ふらっとQUSUMI」コーナーで、すべてのお店を訪ねている久住氏が、真っ先に名前を挙げたのは埼玉・越谷「厨 Sawa」だ。
「とても孤独のグルメに出てくるようには見えない住宅街にあるお店なんですが、とにかく、何もかもうまい」。
主人公・松重はカキのムニエルを食べたが、久住氏はカキのトマトシチューをオーダー。「カキだからクリームシチューが合いそうなんだけど、トマトも抜群なの」
このドラマに登場すると、例外なく放送翌日から行列ができてしまう。今シリーズでは台湾のお店も出てきたが、放送後すぐに「あれはどこだ?」「現地に住んでる人、教えて!」という声がネットで飛び交った。しかも…。
「ちょうど日本で放送された日に、僕はライブのために台湾に行ってたんです。で、放送翌日の昼過ぎに、孤独のグルメに出たお店に行ったら日本人観光客がいてね。『昨日見て今さっき来た』って(笑い)」
同番組はアジア圏でも人気が高いため、久住氏は台湾でも完全に“顔バレ”。「電車の中や、駅の改札で声をかけられたり…国際手配かと思いましたよ(笑い)」
ちなみにこのシリーズを収録したブルーレイ&DVDには、台湾夜市をめぐる未公開の「ふらっとQUSUMI」も収録されている。
[引用/参照/全文:http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/519530/]
名店を探し出すコツ
先週に続き、昨秋に放送されたSeason5の中から、原作者・久住昌之氏が記憶に残っている店を挙げてもらう。“食めぐり”の楽しみ方についても語ってもらったぞ。
「放送が始まったのが2012年だから、さすがにおいしいお店も出尽くしてるはず。撮影を断られることもある。でも、スタッフが一生懸命探してくるんですよ」
千葉・いすみ市の「源氏食堂」も全国的な知名度はなかった大衆食堂。しかし、地元のいすみブタが絶品だった。
「五郎(主人公)と同じブタ肉の塩焼きを食べたんだけど、分厚いのに軽いの。『こんなに食べれんの?』って思うんだけど、食べられる。ここは昭和の、今はちょっと見かけなくなったラーメンもおいしかった。
この前、店の前を電車で通ったけどやっぱり(客が)並んでたね。ホント、ああいう店をよく探すよ。たぶん、ネットとかに頼らず、足で、嫌な思いもしつつだと思いますよ」
今シリーズの最終回で取り上げられた“一人すき焼き”ができるお店(東京・西巣鴨)もそんなひとつ。
「スタッフの一人が店に行ったら、店外には書いてなかった1人用メニューがあったらしい。で、注文したんだけど、他の客は誰も一人すき焼きを食べてなくてすごく恥ずかしかったと(笑い)。
でも、それをテレビ局で話したらみんなが笑うわけです。嫌だったものが面白いものにひっくり返る。ドラマになるぞ、と」
これは久住氏が普段からやっていることと同じ。勇気を出して、思い切って扉を開けて店に飛び込む。だからこそ、何かが起こる。
「失敗したかな~ってガッカリしつつ家に帰っても、次の日ぐらいに逆転するの。アノ店やっぱり変だわって。物事って、一歩先に行くと、もっと面白いことがあるんだよね」
他人の評価など、下調べありきの今はネットに情報がない店には入りづらい。
だからこそ、このドラマの主人公のように勇気を出してドアを開ける作品がウケているのだろう。そこには忘れかけていたワクワクやドキドキ、何より面白いことがあるのだ。
【孤独のグルメ】
雑貨輸入業の主人公・井之頭五郎が仕事の合間に立ち寄った店で食事をする姿をその心模様とともに描く。今月2日、Season5をまとめたブルーレイ、DVDボックスが発売された。未公開映像もたっぷり収録し、初回限定版には手帳風BOOKとメモ帳も付いている。
[引用/参照/全文:http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/520850/]
最高に、面白いです
最近はまずい店少ないからね