夏恒例『an・an』のセックス特集がやってきました。
今年のテーマは去年・一昨年と同じく「感じあう、SEX」。
キャッチコピーは「自分史上、最高の体験」です。表紙はKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔。左膝を立てることでアレが見えそうで見えないという絶妙な構図です。
ここ数年の『an・an』のセックス特集で特徴的だったのは、ひとりHの指南ページ。
「女性の性をもっとオープンに!」というメッセージをガンガン発信していました。
また、ローターやバイブを使ったプレイなども提案。今年、女性向けバイブの「iroha」が発売されたことで、今号もひとりH・グッズ推しなのかと思いきや……また違った方向性を打ち出してきました。早速読んでみましょう!
<トピック>
◎こうしたい、こうされたい…!濃密に愛し合える、秘密の願望集。
◎一番”感じた”セックス、話します。
◎少年アヤちゃんのビッグダディインタビュー
「女の人の額の生え際のところの産毛に萌えます」というキスマイ・藤ヶ谷の意外な嗜好が明らかになったインタビューの後は、「こうしたい、こうされたい…!濃密に愛し合える、秘密の願望集。」という特集が。
アンケートで集まった「こういう刺激的なセックスがしたい!」という声を、男女の絡みの写真で再現しています(もちろん局部の露出はなし)。
妄想の内容は「いつもは彼がリードしているけど、たまには私が…」
「今夜は私に調教されてみない?」
などのプチSっけのあるものから、
「ちょっと手荒に脱がされてみたい」
「乱暴に押し倒されてみたい」
などのMっけのあるものまであります。まぁ、普通といってしまえば普通の妄想といえましょう。
その中で光るのが、
「元カレ総出で複数プレイ」
「ハイヒールを履いたまま」
「2穴挿入に興味がある」
「AV男優さんとのセックスに憧れている」
……。
これ、男性向けエロ文化圏・もしくはBLエロ文化圏に親しんだ女の妄想ではないでしょうか?
『an・an』読者はサブカル・オタク女子率が徐々に高くなりつつあるように思えます。
その後に続く「一番”感じた”セックス、話します。」は小説仕立てで読者の体験を再現。
「カーセックス」「寝取り」などバラエティ豊かな体験談が並びます。
その中で異彩を放つのが、
「居酒屋のピリ辛キュウリを口移しされて胸きゅん」
「彼が私の脇毛を剃ってくれて感動」
といったエピソード。実際に起こった出来事だとしても、完全に妄想だとしても、マニアックすぎます……。
男性122人にアンケートをとった企画「愛されるSEX、逃げられるSEXの意外な真実」。
男子のセックス観を問う内容で、質問内容は「あなたはセックスが好きですか?」「前戯でしてもらって嬉しいことは?」など定番のもの。目新しさはありません。
「どこを攻められると感じますか?」の回答の80%が「性器」なのには「そりゃそうだろ!」という脱力感すらあります。
しかし注目すべきは、このアンケート結果を受けて、編集者とライターがトークを繰り広げるコーナーでの発言です。
「ananでこれまで、男子が喜ぶHのテクニックを一生懸命探し続けてきたのに『テクニックはどうでもいい』って言う声が多かったのはショックよ」
『an・an』が2013年に気付いた真実。それは、「女にテクニックは不要」だったのです。
思い返せば、一時期は過激なテクニック指南企画が多かった『an・an』セックス特集。
極端な例を出せば、「アナル舐め」を推していたことまでありました。
北原みのりの『アンアンのセックスできれいになれた?』(朝日新聞出版)にあるように、読者から
「『an・an』のセックス特集は本当に女性のために作られているのか?」
「男にとって(性的に)都合のいい女を作っているだけなのではないか?」
「風俗嬢を作りたいのか?」
という不信感を持たれたこともありました。しかし、今年の『an・an』セックス特集には、そのようなテクニック紹介はほとんどありません。
では、テクニック指南に割いていたページを埋めるのはなにか?ずばり「サブカル」です。
最近の『an・an』は、雨宮まみ、少年アヤちゃん、まんしゅうきつこなど、Twitterやサブカル系媒体で活躍中の人々を積極的に取り入れてきていますが、今回のセックス特集でもその風が吹いています。
少年アヤちゃんによるビッグダディインタビューに
「ダディは肛門性交についてはどうお考えでしょう?」
「したことも、されたこともない」
というくだりがあったり、BL・青年向けで活躍中の漫画家・阿仁谷ユイジによるエロコミックが掲載されていたり、山本直樹と江本純子に「”最高のSEX”って何ですか?」と聞いたりと、サブカル文化人にエロ観をうかがうページが満載。
男女の関係ではなく、「男男」「女女」の関係にも触れている辺りも、前年までの『an・an』セックス特集とは違い、幅が広がっているように感じます。
アフターピル・避妊についての記事など、肝心なところはちゃんと茶化さずに書いているのも好感が持てます。
坂上忍&土田晃之が決められたテーマについて語る連載「あなたがいいならそれでいいけど」(今回のテーマは「セフレ」)、『失恋ショコラティエ』(小学館)などの漫画家・水城せとなの恋愛相談コーナーなど、セックス特集以外の部分も充実の今号。
オタク・サブカル女子に特化した新たな『an・an』セックス特集、一読の価値ありです![cyzo woman]
http://www.cyzowoman.com/2013/08/post_9569_2.html
【関連画像】
□ 『an・an』今年のSEX特集号の付録でついてくるDVDが完全にアダルトビデオぉ~
【関連記事】
□ 『an・an』セックス特集でローション&フェラ推しを読み解く![2012年]
チャネリングファックでいいよ
『an・an』セックス特集の毎年ぶれまくりな肛門をクンカクンカしたい