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団体インタビュー「はぐくみの杜を支える会」

ページID:0065439 更新日:2024年7月11日更新 印刷ページ表示

君津市内で活動されている団体の皆さんに、インタビューを行いました!
皆さん、さまざまな思いで活動されています。ぜひご覧ください。

インタビュー

児童養護施設「はぐくみの杜」と同じ敷地にある事務所にお邪魔して、理事長の久保さん(写真右)、事務局の中島さん(写真左)からお話を伺いました!

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「はぐくみの杜」

社会福祉法人生活クラブ風の村が、子どもたちが生育の過程で本来であれば享受できた「家庭的な、どこにでもあるような当たり前の生活」をつくり、「育ち直り」を目的として設立されました。

・児童養護施設 はぐくみの杜君津
・児童養護施設 はぐくみの杜かしわ(2023~)
・乳児院 赤ちゃんの家
・自立援助ホーム 人力舎
・アフターケア事業 CANS

「はぐくみの杜を支える会」

「はぐくみの杜」の立ち上げと同時に誕生

児童養護施設「はぐくみの杜君津」は、生活クラブ生活協同組合(千葉)のたすけあいネットワーク事業から生まれた社会福祉法人生活クラブ(通称:生活クラブ風の村)によって開設されました。

施設の立ち上げ当時、久保理事長は生活クラブ生活協同組合の県南エリア担当役員として、プロジェクトに関わられていました。


同じ生活クラブの名前を持つ社会福祉法人が児童養護施設「はぐくみの杜」を立ち上げるにあたって、私たち生協の組合員が何かできないかと考えたところがスタート地点でした。

1年間のプロジェクトを通して、何ができるんだろうと話し合って、その時に「支援組織を作ろう」という結論に行きつきました。2012年から着想して、2013年の春に任意団体を設立しました。

最初の2年間は任意団体として活動し、2015年にNPO法人になりました。ちょうど10年になります。

おじいちゃん、おばあちゃん的な気持ち

プロフェッショナルは、施設で直接子どもたちを育てていく、一緒に暮らすスタッフたちです。私たちは、スタッフがいかに子どもたちとの時間を大事にできるかを考えて、ちょっと一歩引いたサポートをしています。

例えば退所後の子どもたちに「どうしてる?」と直接連絡を取るのは施設のスタッフや、CANSの人で、私たちはそれを後ろから、スタッフが子どもたちのフォローをしやすいようにと考えています。

特に退所後のことに関して言えば、1番はお金ですね。少しでもお金があることで、安心して自分のやりたいことに向かって 進んでいけるように、それを後ろから手伝うような立ち位置。だから、‘おじいちゃん、おばあちゃん的な気持ち’です。

包帯の上からそっと巻くサポーターのように

「子どもたちはみんな傷を負っている。施設のスタッフたちは直接この傷を治すことはできないけれど、その 傷がこれ以上悪くならないように、そっと包帯のように寄り添う。そして、支える会は、その包帯の上からそっと巻くサポーターのような役割」はぐくみの杜君津の高橋施設長が、そういう素敵な表現をされていました。

直接子どもたちに触れることはほとんどないですが、まるっと、スタッフも含めて、うしろから支えていけるような存在でいたいなと思っています。

施設のスタッフとの距離感

同じ敷地の中に事務所があるので、何かあると、「これってどうにかなりませんか」ってスタッフが相談にこれる距離なんです。特に、退所した子どもたちは順風満帆には行かないので、 学校やめちゃうかもしれないとか、留年するかもしれないとか、そういう相談をスタッフたちがしてくるんですね。その時に、私たちはお金の支援をしていたりするので、「これって…」という相談にタイムリーに乗れるんです。

あと、施設のスタッフがざわざわしている時には、「今日は何かあったのかな」みたいなことを日常的に肌で感じられるのは、やっぱりこの距離にいられるからかなと思っています。

支える会のメンバー

日常の運営をしているのは事務局です。
ちょうど、お仕事のご都合で事務局の方がひとり辞めてしまったため、今は中島さん1人ですが、多い時は君津に3人体制でした。柏市のはぐくみの杜にも1人おりますので、そこが中心になって運営してくれています。

理事会があるので、決めることはそこで決めて、それを日日、事務局が進めていく体制です。

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基金などのお金の管理や、2000人近くいらっしゃる会員さんの管理をひとりでとなると、かなり大変な様子でした。一緒に事務局をサポートしてくださる方を募集中とのことです。はぐくみの杜を近くで応援したいという方、ぜひ事務局へご連絡ください!

ボランティアさんと地域の方に見守られて

登録されている方はもっと多いですが、食事作り、環境整備、遊びのボランティアなど合わせて、実動では22名ぐらいです。

環境整備ボランティア

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環境整備は、基本的に月に1回で、冬場はお休みです。

それとは別に、地元の方々が月に 1回ぐらい夏場などは来てくれています。
活動が始まって10年、みんなだんだんそれなりの年齢になってきて、「もう私たちなかなか来れなくなるかも~」なんておっしゃるんですけど、まだまだ来てくださっています。
地元の方の何がすごいって、草払い機がプロすぎるんです。私たちがちまちまやっているのと違うので、もうやっぱり格好から違うし。道具も違うし、やっていただくと 本当に綺麗になります。

とてもお世話になっているので、最近スタッフもちょっと頑張って草刈りをしています。小糸公民館の草刈りにも行って、交流というか、スタッフも地域のお手伝いに。ここのスタッフは若くて体力があるので!

食事ボランティア

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月に数回、晩御飯を作っていただいています。
お料理を作ってくれた方が、何を作って、どんな材料を使ったというのを最初からずっと綴ってくれていて、これまで出したメニューと食材の記録は全部残っています。

ボランティアさんが晩御飯を作った日は、どれぐらい 食べたかとか、切り方もうちょっとこう変えてほしいとか、これは食べにくかったなんていうことを教えてもらうためにアンケートをしています。それに施設のスタッフが回答する時、子どもが絵を描いてくれたり、ごちそうさまとか書いてくれたりするんです。すごく嬉しいですね。

こうやって動いてくれるボランティアの皆さんもありがたいし、スタッフたちも、ボランティアの皆さんの思いに応えて、メッセージカードを作ってくれています。

tegami tegami

今までは、ここまでのやりとりはなかったんですけど、秋にやったボランティアとの 交流会にスタッフに来てもらって、子どもたちの様子を話してもらったり、子どもたちは何が好きなのかとか質問させてもらったりしたことで、交流が深まったのもあると思います。

施設にくる子は、どうしても家での食生活の習慣が整っていなかったりするので、野菜嫌いの子が結構多いんです。いつも、どうやって野菜を食べさせようかと工夫しながら、食事を作ってくれます。
施設のスタッフも「嫌いでも、とにかく一口食べてみて」と子どもたちに言ってくれるらしくて、そこから‘食べられるかも’っていうきっかけになったり、‘意外と美味しい’となったりすることもあるみたいです。

食事ボランティアさんが作る時以外は、すべて施設のスタッフが作っています。朝、昼、夜。お昼は給食がありますが、夏休みなんかは毎日3食です。

遊びのボランティア

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月に1回、直接子どもたちと 触れ合う唯一のボランティアです。

一番若い人で40代でしたが、最近30代の方が入ってくれました。どちらかというとおじいちゃん、おばあちゃんの世代で、体張ってはあはあ言いながら、子どもたちと一緒に逃走中とかやっています。
あと、房総カルタや大型カルタもやっていました。大きいかるたを、公民館の講堂にばーって広げて、「走っちゃダメだよ、歩いていくんだよ」って言いながらやってくれています。

子どもも、体を動かすのが好きな子と、絵を書いたり何か作ったりすることが好きな子といるので、ボランティアさんも、「私はこの子と折り紙折ってるわ」とか、「体を使うのはお願いね」みたいな役割分担をしながら見てくれる感じです。

10人以上集まると、思いがけない動きをする子もいるので、危ないことはないか見守りながら活動しています。施設のスタッフも来ているので、そういう部分は協力しながらやっています。

ご近所の皆さん

10年近く前のクリスマス、スタッフが庭の木に電飾をつけてたんです。子どもが手伝っていたので、「偉いね、手伝ってくれて」と言ったら、「僕ここの子じゃないよ」って!
地域の子が遊びに来て一緒にやってくれていたんです。そういうのも、すごく素敵なエピソードというか、オープンな施設で、地域の子たちもここに遊びに来てるっていいなと思いました。

地域柄、結構ご近所の方がお野菜を持ってきてくれる方がいるんです。夏にスタッフがここで何かちょきちょきやっていて、何してるんだと思ったら、いただいた枝豆の枝を切ってました。軒に大根がいっぱい並んでたりすることも。

そういう方たちは、 会員さんではないけど、そうやって何かあると持ってきてくれたりするんです。釣りをする方が、いっぱい釣れたからって持ってきてくれていたこともあって、スタッフが「さばいてくれたら欲しいんですけど」って言ったら、「それぐらい自分たちしなさい」って。それもそうだなと思って練習して、魚をさばけるようになったと言っていました。

退所した子どもたちを見守る

昔の児童養護施設は、義務教育を終えて高校に行かずに働く子は、18歳になっていなくても施設を出なければいけませんでした。15歳 で中学を卒業して、働きながら、衣食住をすべて自分でやらなきゃいけない。そもそも社会的養護のもとに 育っているので、自分でできないことが多い子どもたちがいます。

はばたき基金

子どもたちの自立を見守り支えるための基金を作って、アパートを借りたり、生活用品を買ったり、一人暮らしを始めるための準備の費用、進学資金、学生には生活費用の月々の仕送り、資格取得のための費用など、金銭面での自立支援をしています。

はばたき基金の詳細はこちら(団体ホームページ)<外部リンク>

ふるさと便

昨年は2回、退所してからある程度の期間、食事を作って真空パックにして、日常の雑貨と一緒に施設のスタッフが直接届けています。年末は、施設のスタッフがおせち料理を作ったんですが、これがすごかったです。うちのお節よりも・・・(笑)

スタッフが事前に「ふるさと便、何かリクエストある?」って聞いていて、それにレスポンスがあると、そこでコミュニケーションがとれて、直接届けることでまた交流ができるのが、すごくいいきっかけになっていると言ってくれています。

はぐくみの杜を支える会に携わったきっかけ

〜久保理事長〜

元々、久保が生活クラブの役員で、千葉市緑区以南のエリアを担当していました。担当エリア内にできる施設ということで、プロジェクトの座長をさせてもらいました。そのままの流れで団体を作ったので、そのままの流れで3年間 事務局を担当して、その後は暫くよそで働いていていました。

でも、3年前に前任の理事長、竹内悦子さんから、そろそろ交代したいということでお声がけいただいたんです。立ち上げ前から関わって、自分たちが作った団体でしたので、想いもあって理事長をお受けしました。

〜中島さん〜

私も理事長と同じ3年前からです。
転勤で20年ちょっと他県に行っていて、こちらに戻ってきたタイミングでした。

元々は木更津の出身で、市内で子どもを2人育てていました。ここの地区で生活していたわけじゃないんですが、小糸公民館でやっていた家庭教育学級に来ていたんです。その時、地元の方に保育ボランティアで子ども2人をずっと見てもらっていました。約2年間、すごく助かったんです。いつか恩返ししたいと思っていました。

3年前に戻ってきた時、はぐくみの杜ができたことを知りました。前の事務局の方が、たまたま一緒に子育てしていた仲間で、声をかけてもらって、今ここにいます。

続ける原動力

続けなければならない活動

退所後の子どもたちの基金はもう辞められない、ねばならない活動になっているっていうのは正直あります。先輩たちがもらって出ていっているものを、「あなたたちからはないよ」とはできないので、とにかくここを続けていくっていうことが私たちの使命です。

この施設でスタッフたちに見守られて、いつも安心していた環境から、ポンと外に出た時の不安な気持ちに、私たちは 後ろから見守りながら、せめてお金をということで始めたこの基金は、やっぱりやめられないです。

ボランティアさんの存在

ボランティアの皆さんが、ここまで自分で車で来て、時間も労働も貸してくれる、労働力も貸してくれるけど、すごくいつも楽しそうにやってくださっていて。みんな‘やってあげている’っていうんじゃなくて、いつも元気をもらって帰るんだみたいなことをおっしゃってくださるのは、すごく嬉しい場面です。

子どもたちの成長

私が今、私の子どもを見てくださった方と同じ世代になって恩返しができること、あと、ここに通い続けてて、行き帰りにちょっと様子を見てると、顔を覚えてくれて、「この前もいたよね」とか、ご飯作ってると「今日何~?」って、子どもが顔を出してくれたりとかするんです。それを見ていると、みんなだんだん大きくなってるんですよ。この前まで出来なかったのに、こんな風に出来るようになったんだなとか、喋ることがちょっと大人っぽくなってきたなとか。3年ですけど、そういう変化が見られると、よかったなって思います。

こういう子どもたちがいることを知ってほしい。

世の中にこういう子どもたちがいるということを皆さんに知ってもらいたいです。
結局、虐待のニュースとかが出ると皆さん注目するけれど、虐待されて、例えば児童相談所が保護した子どもは、こういう養護施設のような場所に来ます。そういう環境の下に育っている子どもたちがいるということは、認知されてきていますが、まずはやっぱり子どもたちの存在を知ってほしいです。

そして、そこで頑張っているスタッフたちの存在も知ってほしいなと思っています。

一緒にボランティアをやりませんか。

知ってもらった先に、「よかったら一緒にボランティアやりませんか」とお伝えしたいです。

誰も来られないと、その日は活動ができなくなってしまうんです。いっぱい登録してくれる人がいたら、この日に来て欲しいっていう日に、その中の誰かは都合がいい可能性が増えるので。「ちょっとずつ、できる人ができる時に」をたくさんの人でできれば。

みんなで役割分担しながら、細く長く 続けられるといいなと思うので、ボランティアの登録、本当に大歓迎です。

施設の包丁を研いでくれたり、成人の時に着物の着付けをしてくれるようなボランティアさんも大歓迎です。

詳しくはこちらから<外部リンク>

支える会のロゴマーク「hug(ハグ)ビーンズ」

これ、豆なんです。千葉県が落花生の産地っていうのもあるんですけど、人と人が向き合っているようにも見えるし、抱っこしている手にも見える。

豆ってすごく成長が早いので、ぐんぐん元気に大きくなれ!っていう願いと、ハグだったり、人と向かい合っていたり、そういう思いを込めて、ホームページを作ってくれたデザイナーの方と相談して、去年、作ったロゴです。

hug

団体概要

 
団体名 特定非営利活動法人はぐくみの杜を支える会
代表者 久保 貴子
設立年月日 2015年8月
主な活動分野 保健・医療・福祉、子ども・子育て
活動内容 ・(社会的養護下の子どもの)生活支援事業
・(社会的養護経験者の)自立支援事業
・広報啓発事業
活動日 不特定
主な活動場所 主に君津市、柏市
会員数

1、897人
R5年11月現在

会費 個人会員 2,400円/1口
団体会員 5,000円/1口
連絡先 窓口担当者 中島 美穂
電話番号 0439-32-2270
メールアドレス

hagukumi-sasaeruka★aroma.ocn.ne.jp

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