地域医療ニュース
多職種協働による在宅チーム医療を担う
人材育成事業・地域リーダー研修会を開催
2013. 05.24 文/梅方久仁子
2013年3月、国の「多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業」の一環として、県が市町村単位でのリーダー養成を行う地域リーダー研修会を実施した。地域別に2回に分けて、3日は千葉市の三井ガーデンホテル千葉にて、千葉、香取海匝、山武長生夷隅、安房、君津、市原の二次保健医療圏を対象に、20日は船橋グランドホテルにおいて、東葛南部、東葛北部、印旛二次保健医療圏を対象に行われた。
各地域からは、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャー、保健師など、地域医療と介護の現場で働く多職種の専門家や市町村の担当者らが参加。在宅医療の実際を学び、自分たちの地域ではどう実現していけばよいかを話し合った。
3日の研修会を取材したので、その様子をリポートしよう。
在宅医療には多職種連携が欠かせない
最初に、千葉県健康福祉部健康福祉政策課政策室長の淡路氏より、「在宅医療推進のためには市町村圏域で医療と介護の連携が必要。今日は地域の医療・福祉の関係者が一堂に会して在宅医療について理解を深めるとともに、顔の見える関係づくりをしていただければ」との挨拶があった。
次に行政からの説明として、千葉県健康福祉部健康政策課の山崎主査より、リーダー研修事業の目的や関係者の役割について説明があった。
この地域リーダー研修会は、国の委託事業として県が行うもの。国は在宅医療・介護を推進していく方針で、様々な対応策を実施している。その1つとして、在宅チーム医療を担う人材育成事業と、在宅医療連携拠点事業に予算が割り当てられている。
人材育成事業として、2012年10月には国が都道府県リーダー研修を実施した。それに基づいて、県が地域リーダーを養成するのが今回の研修会だ。これを参考にして、それぞれの地域で多職種に研修を行い、地域で在宅医療を担う人材を育てていってほしいと語った。
在宅医療連携拠点事業は、地域の病院、診療所、訪問看護ステーションなどを拠点として、地域の人材育成、普及事業、情報の共有、医療機関同士の連携を実施していくもの。現在、全国105箇所でモデル事業が行われており、今後それらの報告書が公開されるので、地域の連携作りに生かしてほしいと説明した。
在宅医療を進めていくには、医師同士や、医療・介護の多職種での連携が欠かせない。そのためには、医師会や介護保険者である市町村の役割が重要だとのことだった。