地域医療ニュース
「がんと向き合う・地域で支える ?ケアタウン小平の取り組みから?」をテーマに匝瑳市で在宅ケアフォーラムが開催
2013. 04.16 文/梅方久仁子
平成25年2月17日、匝瑳市民ふれあいホールにて、第20回在宅ケアフォーラムが開催された。匝瑳市では、医師会を中心に保健・福祉・医療の関係団体が集まる匝瑳市地域ケア推進会が、毎年在宅ケアフォーラムを開催している。記念すべき第20回の今年は、がんと在宅ケアをテーマに、ケアタウン小平クリニック院長・山崎章郎氏を招いて行われた。その概要をリポートしよう。
「がんは、いまや国民病」
山崎章郎氏は、1980年代から医師として終末期医療に取り組んできた。『病院で死ぬということ』などの著作や講演会活動でも、知られた存在だ。その山崎氏は1984年から7年間、八日市場市民病院(現・匝瑳市民病院)で消化器科医長を勤めた経験がある。匝瑳市と縁が深い講師ということもあり、会場には市民や医療関係者ら約500名が詰めかけ、ほぼ満席となった。
最初に主催者の匝瑳市地域ケア推進会会長・新行内文夫氏より「日本の死因の第1位はがんで、いまやまさに国民病。そこから今日のテーマを選んだ」との挨拶があった。また、来賓の匝瑳市長・太田安規氏より「匝瑳市ではがん対策推進条例を千葉県内最初に制定し、現在はがん対策推進計画を策定中だ。計画に基づいて市民の健康を大切にしていきたい」と挨拶があった。
続いて匝瑳市健康管理課保健師の白鳥由美子氏より地域特性について説明があった。
匝瑳市の人口構成は、昭和22年から24年生まれの第1次ベビーブーム世代が多く、2025年には75歳以上の高齢者人口が増大する。匝瑳市の死因は、平成23年で一番多いのは悪性新生物(がん)で、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、肝臓がんの順に多い。過去5年間では、胃がん、肺がん、肝臓がん、大腸がん、膵臓がんの順番となり、他の市町村と比べて肝臓がんが多いのが特徴だという。