地域医療ニュース

糖尿病をテーマに銚子市で地域医療フォーラムが開催

2013. 01.11   文/寺西 芝

 平成24年12月1日、「銚子市保健福祉センター すこやかなまなびの城」で糖尿病をテーマに地域医療フォーラムが開催された。千葉大学大学院医学研究院の横手幸太郎教授を招き、「子どもから大人まで役立つ生活習慣病講座 子どもを持つ母親から高齢者まで年代別対処法を公開」と題して、糖尿病の危険性や子どものころからの生活習慣の改善について講演をしてもらった。それでは、以下に講演内容をご紹介しよう。

糖尿病はなぜこんなに増えたのか?

千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 教授 横手幸太郎氏
千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 教授
横手幸太郎氏

 糖尿病患者数は年々増加の一途をたどっている。1950年代から徐々に増え始め、1970年代後半から劇的に増え始めている。今では糖尿病が疑われる人は890万人とも言われている(平成19年国民栄養・健康調査)。

 では、なぜ糖尿病が増加したのか? 横手教授はその背景について述べる。

 食生活の欧米化との関係が取りざたされているが、実は、日本人の総カロリー摂取量を見ても1950年代~2000年代まで大きな変化は見られない。ただ、動物性脂肪の摂取量について見ると、似たような増え方をしている。ファーストフードが日本に初出店したのが1971年。ちょうどそのあたりから動物性脂肪の摂取量が増え始め、糖尿病患者数も同様に増えてきた。

 しかしそれ以上に、糖尿病の増加とほぼ同じような曲線を描くものがあった。それは自動車の台数だ。自動車の普及や、エレベーターやエスカレーターの普及など便利な生活による運動不足が、糖尿病の増加と大きなかかわりがあるのではないかと想像できる。つまり、動物性脂肪を多く摂取するような食生活の欧米化に加えて、車社会など生活習慣の欧米化が関係しているのだ。

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