地域医療ニュース
自分の住む地域の医療について考えてみよう!
がんと地域医療をテーマにした医療フォーラムが
長生郡市で開催
2011.12. 27
公立長生病院泌尿器科部長、江越賢一医師。
ますます増えつつある前立腺がんと
どう付き合うべきか?
続く講演2は「前立腺がんの予防と対策」で、スピーカーは公立長生病院泌尿器科部長の江越賢一医師。江越医師はもともと千葉県がんセンターに勤めていたが、地域医療に携わりたいという強い思いで、長生病院に赴任したという。
同医師によると、50歳を過ぎたら男性は全員、前立腺がんに対する注意が必要とのこと。前立腺がんの初期は無症状だがゆっくりと進行するので、早期発見が重要だという。
では、そもそも前立腺とは何か。前立腺がある場所は、膀胱(ぼうこう)と尿道をつないでいる部分で、そのはたらきは前立腺液をつくること。前立腺関係の病気としては、がんとともに前立腺肥大もよく知られているが、前立腺がんは前立腺の外側の問題であるのに対し、前立腺肥大は内側の問題であり、その関連性はないという。
アメリカでは男性のがん患者数の第1位で、がんで死ぬ要因の第2位を占めている。また、日本でも死亡者数、死亡率ともに上昇傾向にあり、2020年にはがんの中でも罹患(りかん)率第2位になると予測されている。その要因とされるのが、高齢化や食生活の欧米化だ。
前立腺がんは腰椎や骨盤骨に転移しやすく、腰痛などの症状が現れる。ただし、やはり早期発見で7割以上が助かるので、こちらも早めの検査が必要だ。一般的な検査は、がんの疑いがあるかどうかをチェックするPSA検査と呼ばれるスクリーニング検査。江越医師によれば「50歳を過ぎたら年に1度はPSA検査を受けましょう」とのことだった。
なお、同医師の赴任により長生病院の泌尿器科が4月から復活した。気になる向きは、ぜひとも同科を訪れ相談したほうがいいだろう。