生命保険料の仕組み
保険料は、どのようにして決まるのでしょうか?
聞き慣れないかもしれませんが、「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」という3つの言葉をご存じでしょうか?保険料の決定に大きく影響するこれらの予定率について、一緒にみていきましょう。
1.「予定死亡率」とは?
過去の数字から予想した、性別・年齢ごとの1年間の死亡割合のことをいいます。例えば、30歳男性が100万人いるとして、1年以内に何人亡くなるのか?ということですね。若い方のほうが年配の方よりも亡くなる可能性が低いので、同じ保障なら若い方のほうが保険料は安くなります。また、予想より実際に亡くなる方が少ないと、保険会社は保険料を低く算定できます。
2.「予定利率」とは?
保険会社は皆さんが支払った保険料を積み立てて運用していますが、その予定運用率のことをいいます。昔は予定利率が高い商品が多かったのですが、近年は超低金利時代で利率も低くなっています。この利率が高ければ高いほど、保険会社は保険料を低く算定できます。
3.「予定事業費率」とは?
保険料に対する保険会社の経費割合のことで、経費とは人件費や広告宣伝費等が該当します。経費が高い=この比率が高いほど保険料は高くなります。
ちなみに、保険会社の利益は、基本的に予想より亡くなった方が少ないときに出る利益(死差益)、予想より運用がうまくいったときに出る利益(利差益)、予想より経費が少なかったときに出る利益(費差益)で構成されています。
保険料の構成
保険料は2つの大きな要素で成り立っていることはご存じでしょうか?保険料は、大きく「純保険料」と「付加保険料」に分けることができます。
- 「純保険料」とは?…保険会社が将来のお金の支払いに備えて財源としている部分です。純保険料は、「死亡保険料」と「生存保険料」に分かれています。
- 「付加保険料」とは?…保険会社の営業職員の人件費や、広告宣伝費等の経費の部分です。
同じような保障内容であっても保険会社によって保険料が違うのは、主に保険会社の経費の違いが大きく影響しています。大規模な保険営業組織や、職員を持たないネット専業の保険会社は経費が比較的少なくて済む分、保険料を低く設定できるとも考えられます。
また、保険会社の利益が含まれる付加保険料を公開した保険会社もあります(2008年にライフネット生命が初めて公開)。他社との差別化を図ろうとする戦略の一環かもしれませんね。
- コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史(ハセ タケシ)(マイアドバイザー.jp®登録) - ファイナンシャルプランナー
- 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
FPはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いFPとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
- コラム監修者プロフィール
山本 俊成(ヤマモト トシナリ)(マイアドバイザー.jp®登録) - ファイナンシャルプランナー
- 大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※こちらの記事は2013年1月に書かれた内容です。
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