夫婦を襲う「産後クライシス」 出産後、妻の夫への愛情はなぜ薄れるのか

2013年11月12日 09時00分 (2013年11月13日 22時41分 更新)
 9月にNHK「あさイチ」で放送され話題を呼んだ「産後クライシス」。出産後に妻の愛情が急速に冷めてしまう実態についてレポートしたものだ。「あさイチ」の番組紹介ページではベネッセ次世代育成研究所が行った調査も公開されている。結婚3年未満でも
「離婚考えたことある」4割以上

 ベネッセの調査では、約300人を対象に、妊娠期から子どもが2歳児になるまでの夫婦の愛情度を調べている。これによると、「夫(妻)への愛情を実感する」と答えた人は妊娠期には夫・妻ともに74.3%だが、子どもが0歳児期では夫が63.9%、妻が45.5%に低下。1歳児でもその割合は下がり、2歳児期では夫51.7%、妻34.0%だった。夫婦どちらとも愛情の実感が減っていることがわかるが、特に妻側の減り方が顕著だ。

 番組のホームページでは、この「産後クライシス」の克服方法について大事なのは「夫が父親として自覚を持ち、産後に家事・育児協力をすること」としている。また、東洋経済オンラインの記事「日本人を襲う『産後クライシス』の衝撃」では、「この『出産後に、急激に夫婦仲が悪化する現象』。実は、家族社会学などの分野では長年の研究蓄積がある “定説”だったりします。しかし、このことは日本ではあまり語られてきませんでした」と、出産後が夫婦にとっての「正念場」であることを伝えている。

 子育て中の女性の声を集めたサイト「ママこえ」では、「結婚3年未満のママに質問! 本気で離婚しようと思ったことはある?」というアンケート結果を見ることができる。対象人数は公開されていないが、結婚3年未満ですでに44%が「ある」、8%が「すでに離婚している」と答え、離婚を考えたことがあるか、すでにそれを実行した人が半数以上という結果がわかる。

男性は知らない…?
出産後の妻の意識変化

 筆者は既婚女性に対してその仕事と家事の両立などライフスタイルを聞く取材を長く行なっているが、この取材を通して改めて感じるのは出産前と出産後の夫婦関係の違いだ。

 まだ子どものいない夫婦の場合、よく言われるようにその関係は「恋人同士の延長」であり、穏やかに見える。これに対し、子どものいる女性と話していて感じるのは「語ることの多さ」だ。その人のライフスタイルに関することを聞いたとき、1つの質問に対して10の言葉が返ってくるのは、圧倒的に子どものいる女性の方が多い(どちらが良い、悪いという話ではない)。

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