東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

IC乗車券使うと損? 亀有−横浜 130円割高

写真

 JR常磐線の亀有駅から横浜駅に行く時、切符を買うと運賃は七百八十円。ところが「Suica(スイカ)」や「PASMO(パスモ)」などのIC乗車券を使い横浜まで行くと九百十円引かれる。亀有駅と隣の金町駅を利用すると、この二重運賃が発生する。同じルートを利用しても料金が異なる不可解な問題は国会でも問題になったが、JR東日本ではシステム上の問題などから是正は難しいとしている。 (清水俊介)

 二重運賃は「JR→東京メトロ→JR」と乗り継いだ時、切符を購入するか、IC乗車券を利用するかによって生じる。切符を買う場合、二回乗るJR区間の距離を合算して運賃を算出する。IC乗車券の場合は、前のJR区間、メトロ区間、後のJR区間それぞれの運賃を足す。

 亀有から横浜に行く時、通常はメトロ千代田線直通の常磐線に乗り、西日暮里で再びJRに乗り換える。切符でもIC乗車券でもメトロ運賃の百六十円は同じだが、JR料金は切符だと六百二十円。IC乗車券だと七百五十円になる。

 IC乗車券を使うと割高になる例が多いが、逆に安くなるケースもある。IC乗車券で「JR→千代田線→JR」と乗り継いだ場合、近距離では百円割引になるからだ。

 亀有、金町で乗降するケース以外でも「JR→メトロ→JR」と乗り継ぐ場合にも差額が発生しうる。しかし、亀有、金町以外の駅はメトロを経由しない経路が選択できる。

 この問題は四月の衆院消費者問題特別委員会でも取り上げられた。三谷英弘氏(みんなの党)は「問題を乗客に十分に知らせているとは言えない」と指摘。審議を受け、国土交通省はJR東日本に改善を指示している。

 JR東日本は「IC乗車券に経由地の情報まで読み込ませて計算するのは、システムに負荷がかかり、難しい。(二重運賃について)周知に努めている」としている。

 交通評論家の佐藤信之氏は「知らないうちに高い運賃を取られているのは問題だ」とした上で、「大規模なシステム改修をせずに二重運賃を解消する工夫はできるはずだ。将来は、乗降駅間でどのルートを選んでも運賃が同じになる制度を目指さないといけない」と指摘している。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo