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【囲碁・将棋】

トップ棋士も打つ手なし 電王戦第5局、ソフトに敗北

第2回電王戦の第5局で、将棋ソフトに敗れた三浦弘行八段(左)=20日夜、東京都渋谷区の将棋会館で

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 将棋のトップ棋士が公の場で初めてコンピューターソフトに負けた。20日、東京都渋谷区の将棋会館で行われたプロ棋士と将棋ソフトの5対5の団体戦、第2回電王戦の最終第5局は、最高峰リーグのA級順位戦に在籍する三浦弘行八段(39)が102手で将棋ソフト「GPS将棋」に敗れた。

 これまでトップレベルの棋士と将棋ソフトの対戦は2007年、渡辺明三冠が「ボナンザ」に勝利していた。チェスでは1997年に世界王者がコンピューターに敗れている。

 第1回電王戦は昨年1月に開かれ、故米長邦雄永世棋聖がソフトの「ボンクラーズ」に敗北。第2回から団体戦となり、第1局の阿部光瑠四段は勝ったが、第2局の佐藤慎一・四段と第3局の船江恒平五段が敗戦。第4局の塚田泰明九段は持将棋(じしょうぎ)(引き分け)となっていた。プロ棋士は対戦成績が1勝3敗1持将棋となり、団体戦でも敗戦が決まった。

 対局は平手(ハンディなし)の持ち時間各4時間で行われた。先手番の三浦八段は中盤以降にリードを奪われ、そのまま押し切られた。

 A級順位戦(10人)は名人への挑戦者を決めるリーグで、A級に在籍することがトップ棋士の証明とされている。三浦八段は01年からA級に連続で在籍し、棋聖のタイトルを1期獲得した実力者。

 ソフトのGPS将棋は、昨年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した実績がある。

 日本将棋連盟は第3回電王戦の開催について主催者と前向きに協議したいとしている。

◇申し訳ない…

 三浦弘行八段の話 途中は指しやすいと思っていたが、どこでミスをしたのか分からなかった。責任を果たせなくて申し訳ない。

◇まだ実感がない

 「GPS将棋」開発チームの一人、東大の金子知適准教授の話 コンピューターが事故なく動いてくれたのでよかった。まだ勝った実感はないです。

◇胸を張ってほしい

 日本将棋連盟・谷川浩司会長の話 棋士にとって厳しい現実を突きつけられた。ただ(棋士の)5人は全力を出し切ったと思う。胸を張ってほしい。

 

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