【スロヴァキア】バンスカー・シュティアヴニツァ紀行 5 ユダヤ教会跡
2013年4月22日
東欧の地域にユダヤ人が住むようになったのは10世紀から13世紀にかけてのことでした。迫害されていたユダヤ人を保護する「国」が現れ、旅をしながら商売をしていたユダヤ人が各地で定住するようになったためです。
とはいえ、「国」の概念は今日とは大きくちがい、保護されたかと思えば迫害されたり、追放されたりして、通史としてとらえるのはなかなかむずかしいものがあります。たしかなのは、東欧の発展にユダヤ人が大きく関わっていたことです。
バンスカー・シュティアヴニツァにもユダヤ教会(シナゴーグ)跡があることから、ユダヤ人のコミュニティがあったことがわかります。この教会は1893年に建てられました。鉱山が衰退しはじめた時期です。
街に住んだユダヤ人は強制収容所に送られるなどして、ユダヤ教会もいまでは廃墟になっています。建物を前にして、ユダヤ人の辿った過酷な歴史を思わざるをえません。
- 増田 幸弘
1963年東京生まれ
スロヴァキアの都・ブラチスラヴァ在住のフリー記者。
ヨーロッパ各地を取材しながら、日本でも取材。新聞・雑誌に特集記事や連載記事を執筆している。
「プラハのシュタイナー学校」(白水社)や「プラハ カフカの生きた街」(パルコ出版)などの著作がある。
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