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【放送芸能】

ヒットの鉱脈 探る各局 刑事続々 春ドラマ

 春の連続ドラマが今週から続々スタートする。今期も目立つのは刑事ドラマに代表される犯罪捜査ものの多さ。話題の続編あり、新シリーズあり、素人の名推理ありと各局ともヒットの鉱脈を探っている。一方で、ドラマファンがいま注目している深夜枠は、今期も個性的な作品がそろっている。(宮崎美紀子)

 日本は犯罪天国か?と思うほど、刑事ものだらけ。特にテレビ朝日は四本全てが犯罪捜査もの。上川隆也主演の「遺留捜査」はシリーズ化され今回が三回目。「刑事110キロ」は石塚英彦が体重一一〇キロの“大型刑事”役で主演。同局によると実際の石塚はもっと重いそうだ。

 「噂の刑事トミーとマツ」「あぶない刑事」など昔から刑事ドラマはコンビものが多いが、「ダブルス」では伊藤英明と坂口憲二がコンビを結成。「お天気お姉さん」は気象予報士が気象学の知識を駆使し犯罪を暴く“素人名刑事”もの。

 フジテレビは二〇〇七年にヒットした「ガリレオ」の新作を投入。変人物理学者(福山雅治)の相棒となる女性刑事は柴咲コウから吉高由里子にチェンジ。

 TBS「確証」も、盗犯専門の部署を舞台に高橋克実、榮倉奈々が年の差コンビを組む。同「潜入探偵トガゲ」は松田翔太演じる元刑事が警察の要請で潜入捜査を行う。

 犯罪を取り締まる人がいれば犯す人もいる。同「TAKE FIVE」は五人組のプロ窃盗団の物語。彼らと対峙(たいじ)する女性刑事は松雪泰子。

◆注目の深夜枠

 ゴールデンタイムではやれない実験的な作品が多い深夜枠。中でも最近評価を上げているテレビ東京は、映画「ヒミズ」で知られる園子温監督が撮る「みんな!エスパーだよ!」を放送。主演も「ヒミズ」の染谷将太で、おバカでエッチな超能力者を演じる。フジ「間違われちゃった男」は、昨年解散した劇団「東京セレソンデラックス」の演劇を連ドラ化。劇団の主宰者だった宅間孝行が脚本、演出を担当。腕利きの板前に間違えられる涙もろいコソ泥役は古田新太。小劇場の空気が漂ってくる。

 日テレ「でたらめヒーロー」は、ひょんなことからダメ男が十分間だけ超人になれる能力を身に付け、強制的にヒーローにさせられる物語。

      ◇

 女性に支持されるドラマ界の姉貴、米倉涼子と篠原涼子の“W涼子”が戻ってくる。米倉主演の日テレ「35歳の高校生」は、謎に包まれた編入生が教育現場の闇を打ち破る。フジ「ラスト・シンデレラ」は、仕事に打ち込むあまり、恋も色気もなくなったオス化女子を篠原が演じるラブコメディー。

 同「鴨、京都へ行く。」は、キャリアウーマンが、嫌っていた実家の老舗旅館の経営改革に乗り出す現代版“細うで繁盛記”。

 女性の強さ、たくましさに比べて男性は…。日テレ「雲の階段」は、担当プロデューサーいわく「流される男を演じさせると日本一」の長谷川博己が、二人の女性の間で揺れる孤島の無免許医を演じる。原作は渡辺淳一さんで、医療、ラブ、サスペンスが入っているが、官能はないそうだ。

 フジ「幽(かす)かな彼女」は香取慎吾演じる無気力な教師が、おせっかいな元教師の幽霊に背中を押される学園ドラマ。TBS「空飛ぶ広報室」は、報道現場から外されたテレビ局の女性ディレクターと、事故で戦闘機を降りた自衛隊の広報官が再び夢を見つける成長ストーリー。

 二年半、日曜九時でTBSと張り合ってきたフジは、今度は水曜十時で日テレと正面衝突。第一弾は往年の名作「家族ゲーム」のリメークをぶつけた。

 人気が出るまで時間がかかるバラエティーに比べ、内容次第ですぐに結果が出るドラマはテレビ局の景気アップの起爆剤。半面、ネットでいったん悪い評判が流れると、雪崩を打って視聴率が下がる厳しい時代でもある。新年度、幸先良いスタートを切れる局はあるだろうか。

 

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