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東京ほっとコラム


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赤羽 人情 ほろり酒

2012/08 味・グルメ(23区エリア / 北区)

赤羽は不思議な魅力を漂わせる町だ。池袋、上野まですぐそばにありながら、どこか肩の力を抜かせてくれるようなくつろぎが感じられる。そんなこの町の路地裏を気ままに歩くのが好きだ。
歩き疲れれば、通りのそこここに小さな構えの酒場が「お帰り」とでも言いたげに暖簾をなびかせている。馬蹄形のカウンターには賑やかな人の会話。それもまた酒肴の一つになる。ざっくばらんな雰囲気の店に高級酒は不似合いだ。茶色いホッピーの瓶が一番なじむ。つまみも丸干し、煮込みにやっこ。カタカナのメニューが少ないのも赤羽の特徴だ。
庶民が主役の町だということを店も通りも無言で教えてくれている。東京が決して都会という一つに括れないことを証明しながら、今日も赤羽は生きている。

(群馬県 頼富雅博)


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滝に打たれてみたい

2012/05 場所、風景(23区エリア / 北区)

散歩中、歩き疲れた足が向かうのは、北区にある名主の滝公園。入口に近づくと、明らかに空気が違うのがわかる。ひんやりとシンとした空気が綺麗だ。門をくぐって中に入るとふうっと息をつく。肩の力が思わず抜けてしまう。公園内にはゆったりとした空気が流れている。いつもより歩くスピードを落として、ぼんやりと池を眺めてみたり、橋を渡ってみたりして、のんびり過ごす。王子駅から少し歩いただけで、豊かな自然があるのです。雨の翌日は滝の迫力が凄まじく、岩に腰かけ、にわか修行僧の気分を味わいました。

(東京都 毛利 明日香)


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飛鳥山公園

2012/05 レジャー・観光、名所(23区エリア / 北区)

今年も上野公園や新宿御苑をはじめ花見の名所がそれぞれ賑わいをみせた様子が、メディアで伝えられた。北区の飛鳥山公園もそのひとつだ。
八代将軍吉宗によって拓かれた桜の名所として、江戸時代から庶民の行楽地として、その歴史は園内の博物館でも知ることができる。道路ではなく山の上での花見とあって気持ち良さは格別と聞く。だが、それはこの公園が持ついくつかの“顔”のひとつだろう。
桜が散り、新緑が目に鮮やかな季節を迎えたある日、ここを訪れた。親子連れの姿が目立つ。きっと近くに住んでいるのだろう。ブランコやジャングルジムのほかに都電の車両などの展示物もあり、子供たちは思い思いに遊んでいる。母親たちは、その様子をみながら寛いでいるようだ。地元の人々にとっては、“殿様の拓いた由緒ある桜の名所”というより“近所のちょっと大きめの公園”なのかもしれない。そんな「日常」が、この名所を永く支えているように思う。

(東京都 中坪薫)


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王子稲荷の初午の凧市

2012/01 レジャー・観光、名所(23区エリア / 北区)

学校を卒業してすぐの若いころ、北区にある、王子稲荷神社に併設されている“いなり幼稚園”に勤務していた。毎年、2月の初午の日には「火防の凧」を買い求める参拝者の対応に職員全員が巫女になって立つのだが、いっぺんに10体の凧を求める方も多くおられ、それはそれは、大変な賑わいであった。幼稚園の子どもが、受け持ち教師の列に並んでくれてうれしい再会という場面も幾度となくあり、稲荷神社に着くまでは王子の駅からズラリと屋台が並び、子どもたちもお祭り気分を楽しんでいた。幼稚園の生活の中でも屋台の見学に行ったものだ。
飛ぶように求められる凧の用意に、裏方では結構な作業に追われている。交代で、売り子に立って、中では凧を一体一体丁寧に袋に詰めている。災いがないようにと神に祈る気持ちでやっていた。寿退職するまで、同園にお世話になった。この季節になると、凧のこと、教え子のこと、思い出される。

(東京都 前田 美智子)


2012/02/01掲載


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十条駅徒歩1分 地下に広がる別世界

2011/11 その他(23区エリア / 北区)

良質な映画を上映するこぢんまりとした映画館が消えていくのは、本当にさみしいものだ。またひとつそんなニュースを聞いて、ブルーな気持ちになっていた頃、とあるお店に出会った。「シネカフェ・ソト」。十条駅北口改札徒歩1分という好立地にあるここは、なんと、映画が観られるカフェなのである。毎月1週間程、その月のフィルムに選ばれた1本が、そこに集う人たちのためだけにスクリーンに映し出される。小さなハコだからこそのサイズ感も心地よく、見知らぬ人と映画を通じて繋がる一体感を存分に味わえる。上映後に供される食事もユニークだ。映画にちなんだ料理をシェフが特別に作るという粋な企画で、これが実にいい。映画の余韻に浸りながら、料理を味わい、登場人物やストーリーについて気ままに語り合う――。これほど幸せな時間はないだろう。駅前ロータリーに建つビルの地下、という立地からくる、ちょっとした「隠れ家」的気分まで妙に嬉しい。

(東京都 ペンネーム 森本ようこ 【本名 高島洋子】)


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