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【埼玉】

山口、多摩湖線も廃止対象 西武 米投資会社の提案公表

 西武ホールディングス(HD)が二十六日の会見で、筆頭株主の米投資会社サーベラスから西武鉄道秩父線や山口線(レオライナー)、多摩湖線など五路線が「不要路線」と指摘され、埼玉西武ライオンズは売却も選択肢にするよう提案されたと明らかにした。実施されれば通勤通学の足、観光やスポーツ観戦に大きな影響が出ることになり、沿線自治体などからは批判が強まっている。(上田融、羽物一隆)

 「あり得ない提案。鉄道会社は沿線利用者のためのものでもある。大株主が自分の利益を追求するためだけに利用者を犠牲にすることは許されない」。所沢市の藤本正人市長は二十六日、本紙の取材に語気を強めた。

 山口線は、西武ドームでのライオンズの試合時などに東京都西部のファンが利用する。山口線と西武遊園地駅で接続する多摩湖線は東京・国分寺まで延び通勤通学の足。二〇〇八年度の利用者は二千百三十六万人いる。

 売却も視野に入れたリストラ対象になったライオンズは一一年度に営業黒字を達成。一三年度は試合に応じ胸に「Saitama」の文字を入れたユニホームを着用するなど地元密着を強めている。ファンからは「水を差されているようだ」と不満も漏れる。

 秩父線沿線の秩父市などでは、商工・観光関連団体が秩父線の存続を求める要望書の準備を始めたほか、住民の署名集めも計画されている。

 秩父商工会議所の担当者は「秩父線と一体で運行している池袋線と横浜の直通運転が始まり、西武鉄道からも観光誘客に力を入れたいとの話が出ていた直後のことで驚いている。住民にも企業にも死活問題なので、廃止は絶対に阻止したい」と意気込む。

 秩父市は二十八日に開く町会長協議会で、署名活動への協力を呼び掛ける。四月九日までに取りまとめる予定で、市は「西武側に住民の熱意を伝えたい」としている。秩父など一市四町の議会は臨時会を開き、存続要望を決議する方針という。

 

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