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【社会】

舞台見やすく 耐震性も 新・歌舞伎座、内部公開

報道陣に公開された歌舞伎座の1階座席。右は花道=24日、東京・銀座で

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 五代目となる新しい歌舞伎座(東京・銀座)の劇場内や舞台裏が二十四日、報道陣に初公開された。外観同様、内装もほぼ先代歌舞伎座と変わらないが、見やすさに配慮した客席の構造や芝居をスムーズに運ぶための舞台機構、東日本大震災の教訓から耐震構造に重点を置くなど細部に改良が加えられた。

 一階座席は幅三センチ、前後六センチ広がり前よりゆったりと座れる。フロアの勾配が少し増し、二階席を支えていた四本の柱もなくなり、後方からも舞台がよく見渡せる。椅子の背もたれにはメッシュが使われ、長時間の観劇でも圧力を分散し疲れにくいという。二・三階席も勾配が増し、花道まで見通しやすい。低料金の四階・一幕見席は九十六席に増えた。エレベーター・エスカレーターが新設され、女性用トイレは地下一階を中心に増えた。

 舞台の寸法も先代と同じだが、奥手に大ゼリ(昇降装置、長さ約一一・五メートル、幅約三・七メートル)が新設され、上手の袖は先代より九メートル広く、大道具の出し入れなどがよりスムーズに行える。設計者が最も苦心したという音響については、天井の反射板を二次元的な曲面から三次元的曲面に変えて想定通りにできたという。

 柱を減らしたことで建物は基本的に壁で支える仕組みだ。大地震にも十分耐える構造といい、壁のズレを想定して客席の端に幅約十センチの隙間を設けた。

 二十七日に開場式、二十八日に古式による手打ち式が行われ、四月二日からこけら落とし公演が始まる。

 

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