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【経済】

もっとトマト 調味料提案 使い勝手アップ

 カゴメ(名古屋市)が料理に使うトマト調味料の市場拡大に乗り出した。しょうゆやみそのように使ってほしいと新商品で使い勝手の良さをアピールし、長寿商品では新しい食べ方を提案している。今の社名になって五十年の節目を迎え、国内トマト消費量を西洋諸国に近づける意気込みだ。 (後藤隆行)

 カゴメは二〇一三年三月期連結純利益で過去最高の六十五億円を見込む。けん引役はトマトジュース。京都大が昨年二月、トマトに含まれる成分にメタボリック症候群の予防効果があると発表すると、人気が急上昇した。トマトジュースは成熟市場で大きく伸びないとされていたが、今でも発表前の一・五倍の売れ行きという。

 半面、国民一人当たりの年間トマト消費量(〇七年)は九キロと世界平均二十キロの半分にも届かない。日本はサラダなど生食が主流だが、欧米はソースなど調理加工用に使う場合が多いためだ。例えばケチャップは、大さじ二杯にトマト一個が濃縮されている。

 そこでカゴメは調味料の新商品を次々と発売。ホームページなどでレシピを紹介している。さいの目切りしたトマトをバジルで軽く味付けした「かけるトマト」は料理にかけるだけでイタリア料理風になる手軽さを強調。紙容器でたためるため、捨てる際に缶詰に比べかさばらない。

 粒状の「トッピングトマト」は、サラダや麺類にかけるほか、ふりかけとしての使い方も紹介。カロリーや塩分を抑えたケチャップは、高齢世帯らに売り込む。

 カゴメの原点は明治後期、創業者の故蟹江一太郎氏が愛知県東海市で始めたトマト栽培。一九六三年四月一日に「愛知トマト」から社名を変え、全国ブランドに成長した。

 名古屋市で開いた新商品説明会で、名古屋支店長の川村修執行役員は「トマトのさまざまな食べ方を提案し、五十年かかっても国内消費量を世界平均に引き上げたい」と話した。

 

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