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【茨城】

<センバツ甲子園>赤飯で常総学院にエール 「勝ち負け考えず全力を」

選手を交え、木内前監督(右)と握手をする羽成さん夫妻=土浦市の常総学院高校野球場で

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 第85回選抜高校野球大会(センバツ)が二十二日、開幕した。常総学院は大会5日目の二十六日、第2試合で済々黌(せいせいこう)(熊本)と対戦する。その常総学院の歴代野球部員らに、赤飯を届けてエールを送っている人がいる。土浦市の羽成茂平(はなりもへい)さん(83)と妻とき子さん(83)。甲子園出場時など節目のたびに選手たちは、羽成さんの赤飯を食べてきた。当日、テレビ観戦する夫妻は「勝ち負けを考えず全力を尽くしてほしい」と願う。(妹尾聡太)

 羽成さんはもち米などを栽培する農家。赤飯はとき子さんが蒸し、注文に応じて販売している。規模は昔に比べて縮小したが、蒸し加減がほどよく、地元で根強い人気があるという。常総学院へは卒業式など祝い事の際に注文を受けて配達している。

 野球部との関わりは二〇〇一年のセンバツで全国優勝したころから。当時の木内幸男前監督(81)のファンだった茂平さんが「選手たちに食べてもらいたい」と持ち掛け、無償で赤飯を届け始めた。茂平さんは趣味で歌謡曲や演歌の作詞もしており、師事する作曲家らと、部員や木内前監督をたたえる歌を作って贈ったこともある。

 赤飯を蒸して届けるのは部員たちを元気づけたい一心からで、甲子園出場時のほか、負けて再起を誓うときなどさまざまな場面にわたる。保護者や教員との交流を深めつつも茂平さんは「私たちは縁の下」と選手の前に出ようとしない。

 それが今回のセンバツ出場が決まった一月二十五日、初めて選手との記念撮影に加わった。長年にわたる支援への感謝として、木内前監督らが強く誘ってくれたからだ。甲子園での観戦にも招かれたが「うれしいけれど、年だからね」と気持ちだけを受け取った。

 「常総学院の良さは団結心が強いところ。人生を思わせるような助け合う野球を築いてきた」と茂平さん。チームワークが光る試合を期待している。

 

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