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【なるほどランド】

<こども探検隊>たわしを作る店へ行ってきました! ヤシやシュロの繊維が材料

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 年末の大そうじなどに使うたわし。よく見るとふしぎな形をしているけど、どうやって作るのかな。わたし馬淵琉名(まぶちるな)が調べてきました。

     ☆   ☆

 たずねたのは、東京都北区の「亀(かめ)の子束子西尾商店(たわしにしおしょうてん)」。統括(とうかつ)部長の鈴木康夫(すずきやすお)さんが、会社の正面に立つヤシのような木を見せてくれたよ。

 「シュロの木だよ。幹(みき)の表面に固い毛みたいなものがあるでしょ。みんながよく知っているあの卵形(たまごがた)のたわしは、こうしたシュロの木の皮やヤシの実からとった繊維(せんい)でできているんだ」

 木の繊維が材料!?

 「そう。くさりにくくて丈夫(じょうぶ)だし、繊維にふくまれる自然の油のおかげで洗剤(せんざい)なしでもよごれが落ちやすくなるんだよ」

 さっそく作り方を見せてもらいました。

 「長い針金(はりがね)を半分に折って機械にセットし、五センチぐらいに切ったヤシの実の繊維を針金の間に均等(きんとう)にならべてはさむんだ。機械のハンドルを回して針金をねじると−」

 うわぁ、横にねていた繊維の束が、針金にぐるぐるまきこまれながら立ち上がっていくよ! あっという間に太い棒(ぼう)みたいになっちゃった。

 「棒状(ぼうじょう)のたわしを二つに折り曲げて、なわをかければ完成。持ちやすく、力が入りやすいように工夫された形で、亀に似(に)ているから『亀の子たわし』って言うんだ。馬淵さんも作ってみる?」

 もちろん! 繊維をはさんだ針金をぐるぐる−あれ? 同じようにやったはずなのに、繊維がばらばらになっちゃった。

 「かんたんに見えるけど、繊維を均等にするのは、コツをつかむのに三年かかるといわれる職人技(しょくにんわざ)なんだよ」

 たわしの形にはこんなひみつがあったんだね。

◆失敗から大発明!

 卵形のたわしは「亀の子束子西尾商店」の初代の社長さんが、今から約100年前に発明したんだよ。最初はシュロを使った足ふきマットを発売したんだけど、使ううちに毛足がつぶれる欠点が見つかって失敗。

 奥(おく)さんが、返品されたマットの一部、棒状の部分を折り曲げてそうじに使っているのを見て「これだ!」と思いついたんだって。失敗から生まれた大発明だね。

 

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