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【千葉】

障害者のため 「明日の種」まく 千葉市内初 企業組合で設立

障害者就労支援施設「明日の種」の看板を手にする組田さん=千葉市花見川区で

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 障害者の自立を手助けしようと、佐倉市の主婦らが、千葉市内に就労支援施設をつくった。社会福祉法人やNPO法人が運営する他の施設と違い、企業組合を運営母体として設立し、立ち上げに至った。千葉市によると、企業組合による障害者の就労支援施設の運営は市内で初めてという。(白名正和)

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 支援施設をつくったのは組田香織さん(41)。企業組合は主婦や学生など個人でも出資者が四人以上いれば、設立できる。申請に十人以上のメンバーが必要なNPO法人と比べても、少人数で活動が始められる利点があり、「認可も二週間くらいで下り、機動力がある」(組田さん)。

 もともと主婦だった組田さんは、茨城県東海村の臨界事故(一九九九年)を機に脱原発に取り組んでいた。長女を出産したばかりで、自宅は東海村から百キロ弱離れていたが「不安だった」という。

 その後、生協の理事を務めたり、市民団体「佐倉あしたのたねをまく会」をつくったりして、食の安全を通して放射能の危険性を訴えていた。

 障害者の就労支援を始めるきっかけは、障害のある子を持つ知人から将来の不安を聞かされたこと。「支援を望む人のために動こう」と思い、活動人数が減って解散した佐倉の団体にちなみ、二〇一一年十月に「企業組合あしたね」を設立した。佐倉で一緒に活動していた主婦ら女性ばかり計五人が発起人となったほか、障害のある子の親らも出資者となった。

 施設は一二年十一月、千葉市花見川区に設けた。近くに特別支援学校があり、生徒が就労訓練で通うのに便利だからだ。

 施設は「明日の種」と名付けられた。プレハブ二階建てで一階がカフェ、二階は電話などデジタル製品を分解する作業スペース。知的、精神、身体を問わず障害の程度に応じて働くことで、利用者の生きがいづくりやステップアップの場にしてもらう考えだ。

 施設では、企業への就職を目指す「就労移行支援」、就職は目指さないが自宅外で働く希望を持つ人「就労継続支援B型」の人を支援している。問い合わせは、明日の種=電043(215)5120=へ。

 

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