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【望 〜都の空から】

生田緑地 里山の自然と文化

新緑に包まれる生田緑地。都心方向に目をやれば、薄もやの中に新宿の超高層ビル群が見えた=本社ヘリ「おおづる」から(小平哲章撮影)

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 太平洋戦争が始まった1941(昭和16)年、川崎市は西部の丘陵地を、空襲からの避難場所や延焼遮断帯となる防空緑地に指定した。一帯は行政の管理下に置かれたことで、戦後も市街地開発や宅地の造成から免れ、豊かな自然が残された。現在の生田緑地だ。

 広さは約180ヘクタール、東京ドーム38個分。展望台がある枡形山広場(標高84メートル)を最高点に、いく筋もの谷戸が起伏に富んだ地形を構成している。NPO法人かわさき自然調査団のメンバー岩田臣生さんは「多摩丘陵の本来の自然が残っている」と、ここで田んぼや湿地などの復元に取り組んでいる。雑木林、小川や池、水田など里山特有の風土が、植物約1200種、昆虫約2200種の多様な命を育んでいる。

 湧き水を好むホトケドジョウやスジグロボタルなど国や神奈川県が絶滅の恐れを指摘する希少種に加え、「公表できないが、県内でここだけに生息する生き物もいる」(岩田さん)そうだ。

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 昨秋にオープンした「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」に続き、先月は、最新鋭のプラネタリウムを備えた「かわさき宙(そら)と緑の科学館」が開館し、連休中も親子連れなどでにぎわいが続いている。文化施設の集積地としても注目される生田緑地の遊歩道沿いでは、自生のヤマツツジが赤い花を咲かせ、来園者を迎えている。 (栗原淳)

 

東京新聞フォトサービス

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