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【望 〜都の空から】

浅草 凌雲閣の夢続く

浅草寺と東京スカイツリー。船が行き交う隅田川をはさんで新旧のランドマークが並び立つ=本社ヘリ「おおづる」から(淡路久喜撮影、広角レンズ使用)

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 11月10日は「エレベーターの日」。日本初の電動エレベーターを備えた、高さ約52メートルの八角塔、「凌雲閣(りょううんかく)(通称・浅草十二階)」が1890(明治23)年、浅草に生まれた。開業式は翌11日だった。

 ところがエレベーターは故障続きで開業翌年から20年以上、運転停止に。塔は1923(大正12)年、関東大震災で倒壊してしまう。戦後、それを模してできた広告塔「仁丹塔」も86(昭和61)年に解体。凌雲閣の名残すら浅草で見かけなくなった。

 ようやく跡地に記念碑ができたのが2004(平成16)年。地元の浅草西地区商店街協議会は今夏、高さ1.8メートルの陶製モニュメントを作製。さらに高いモニュメントを作れないか、模索している。

 「本音は、ここ浅草六区に本物の凌雲閣を再建したいんです」と、同協議会長で東洋興業会長の松倉久幸さん(75)は言う。「六区の塔からスカイツリーを眺められたら、いいじゃないですか」

 その東京スカイツリーが隣の墨田区で開業する来年は、浅草最大の行事・三社祭が700年という節目。記念の「船渡御」(3月18日)は故事に倣って3基の宮神輿(みこし)が船で隅田川を航行、浅草観音が上陸したと伝わる駒形橋付近で、岸に上げる。

 歴史的な祭りを近くで見守る世界一の塔は、その直前の2月末には竣工(しゅんこう)予定だ。 (榎本哲也)

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東京新聞フォトサービス

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