Online Computer Library Center
Online Computer Library Center, Inc. (OCLC) は「非営利で会員制のコンピュータライブラリサービスと研究組織であり、世界中の情報へのアクセスを促進し、情報コストを下げることを目的としている」[1]。1967年、Ohio College Library Center として設立された。世界中の112の国と地域にある6万以上の図書館がOCLCのサービスを利用して図書館の資料を探し、取得し、カタログ化し、貸し出し、保護している[2]。創設者は Fred Kilgour で、本拠地はアメリカ合衆国オハイオ州ダブリンにある。
2002年、OCLCは世界最大の電子コンテンツプロバイダ NetLibrary を買収した。OCLCの100%子会社 OCLC PICA はオランダのライデンに本社があり、図書館自動化システム/サービスを提供する企業だったが、2007年末にOCLCに吸収された[3]。2006年6月、Research Libraries Group (RLG) がOCLCに吸収合併された。2008年1月11日、OCLCは図書館で広く使われているソフトウェア EZproxy の買収を発表した[4]。
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[編集] 主なサービス
OCLCは、書誌情報、抄録、全文の情報を図書館、学生、教育機関、学者などそれらの情報を求めている人々に提供している。
OCLCは加盟図書館と協力し、WorldCat (OCLC Online Union Catalog) という世界最大のオンライン蔵書目録(OPAC)を作り、保守している。WorldCatには世界中の主な図書館の蔵書目録が集められている。WorldCatは多くの図書館や大学のコンピュータネットワークからアクセスできる。Open WorldCat プロジェクトでは、WorldCat に集められた蔵書目録を通常のインターネット検索、書誌的サイト、書籍販売サイトで利用可能にしようとしている。2005年10月、OCLCの技術スタッフはウィキ風のサイトを公開し、WorldCat内の任意の記録に対応した情報にタグを付けつつ、読者や図書館員がコメントを付けられるようにしている。
OCLCは、印刷物のマイクロフィルム化とデジタル化を行う OCLC Preservation Service Center を運営していた(本拠地はペンシルベニア州ベスレヘム)。図書館、博物館、歴史関連団体、大学などがこれを利用し、印刷物、書籍、地図、写本、新聞などをマイクロフィルム化していた。また、印刷物やマイクロフィルムをデジタル化してコンピュータで利用できるようにするサービスも行っていた。OCLC Preservation Service Center は2009年8月1日、Backstage Library Works に売却された[5]。
[編集] WorldCat
OCLCはWorldCatのデータベースを利用した図書館の目録作成サービスを提供している。以前は OCLC Passport というプログラムが使われていたが、2001年に Connexion が新たに登場し、Passport は2005年5月にサービス停止した[6]。
WorldCatのデータベースには、Machine Readable Cataloging (MARC) フォーマットのレコードが集積されており、それらは目録作成ツールを利用する世界中の目録作成者から提供されたものである。MARCフォーマットのレコードを各図書館のローカルな目録システムにダウンロードし、その図書館の蔵書と同じ本のレコードを再利用し、目録作成の手間を省くことができる。
2007年2月現在、11億冊以上の目録がデータベース化されており、世界最大の書誌データベースとなっている。Connexion は図書館員であれば利用でき、ダウンロードしてインストールする形でも使えるし、connexion.oclc.org というウェブにアクセスする形でも利用できる。
WorldCat はFirstSearchというウェブベースのサービスや Open WorldCat を使って一般の人でも検索できる。
[編集] デューイ十進システム
1988年、Forest Press を買収した際に、デューイ十進分類法に関する商標や著作権も OCLC が所有することとなった。
[編集] WebJunction
WebJunction はビル&メリンダ・ゲイツ財団の寄付によって設立されたOCLCの部門である。
[編集] QuestionPoint
QuestionPoint は図書館が利用者と様々な方法でコミュニケーションをとるためのツールを提供する問い合わせ管理サービスである。世界中の加盟図書館の協力で成り立っている。
[編集] 地域サービスプロバイダ
OCLCと契約した地域サービスプロバイダは、OCLCサービスのためのサポートとトレーニングを提供する。以下の表はOCLCサービスだけを表している。
名称 | 地域 | ウェブサイト |
---|---|---|
Amigos Library Services | アリゾナ州、アーカンソー州、ニューメキシコ州、オクラホマ州、テキサス州 | www.amigos.org |
BCR (Bibiographic Center for Research) | アラスカ州、コロラド州、アイダホ州、アイオワ州、カンザス州、モンタナ州、ネバダ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州 | www.bcr.org |
INCOLSA | インディアナ州 | www.incolsa.net |
ILLINET | イリノイ州 | |
MINITEX Library Information Network | ミネソタ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州 | www.minitex.umn.edu |
MLC (Michigan Library Consortium) | ミシガン州 | |
MLNC (Missouri Library Network Corporation) | ミズーリ州 | www.mlnc.org |
NEBASE | ネブラスカ州 | www.nlc.state.ne.us/netserv/nebase/nebserv.html |
NELINET | コネチカット州、メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、ロードアイランド州、バーモント州 | www.nelinet.net |
Nylink | ニューヨーク州 | nylink.org |
OHIONET | オハイオ州、ウェストバージニア州、ペンシルベニア西部 | www.ohionet.org |
LYRASIS | デラウェア州、メリーランド州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、ウェストバージニア州、アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州、バージニア州、西インド諸島 | www.lyrasis.org/ |
WILS | ウィスコンシン州 | www.wils.wisc.edu/ |
FEDLINK | アメリカ連邦図書館群 | www.loc.gov/flicc/ |
OCLCサービスセンター | ||
OCLC Eastern Service Center | ワシントンD.C.、メリーランド州、バージニア州 | |
OCLC Western Service Center | アラスカ州、カリフォルニア州、ハワイ州、アイダホ州、モンタナ州、オレゴン州、ワシントン州、グアム | |
OCLC Asia Pacific | ||
OCLC Canada | ||
OCLC Latin America | ||
OCLC PICA (OCLC Europe, Middle East and Africa) |
[編集] 関連項目
[編集] 脚注・出典
- ^ About OCLC OCLC公式サイト
- ^ “OCLC renames European division”. Business First of Columbus (2007年10月22日). 2007年11月9日閲覧。
- ^ Michael Rogers (2007年10月22日). “CLC/OCLC Pica Merge”. Library Journal. 2007年11月9日閲覧。
- ^ OCLC acquires EZproxy authentication and access software OCLC News release、2008年1月11日
- ^ Preservation Services OCLC
- ^ OCLC Connexion 紀伊国屋書店