再生の原風景 渡良瀬
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【第94回全国高校野球選手権大会・東東京】<ヒーロー>「野球の神様いた」 見目 雅哉主将(成立学園3年)
鋭い打球が二塁手の脇をすり抜けていく。九回2死二塁。見目雅哉主将は一塁を回ったところで、三塁を回る小柳大樹捕手の姿を視界にとらえる。「勝った」。駆け寄ってくるチームメートたち。もみくちゃにされる歓喜の輪の中心で、熱いものが頬を伝った。 あどけなさの残る表情に気配りが詰まる。「谷岡がよく投げていたので、本当は九回表で終わらせて谷岡を中心にマウンドの上で喜びたかった」。サヨナラ打を誇るより先に、力投した後輩を気遣う。 午前五時四十分ごろ。この日も谷岡竜平投手と2人でグラウンド近くの神社に出向いた。昨年夏から続く公式戦の朝の恒例行事だ。「昨年、谷岡は一年生でベンチに入っていて、いろいろプレッシャーもあると思ったので誘いました。毎回、勝たせてくださいとお願いしていましたけど、野球の神様がいましたね」。笑顔もまぶしい。 モットーは「素直な心」。野球日誌の表紙にもこの言葉を記す。「周りの人に支えられて勝つことができた。みなさんに感謝したい」。口からあふれ出るのは最後まで、感謝の言葉だった。 (土屋善文) PR情報
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