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【国際】

北に核放棄要求 韓国・朴大統領が就任演説

 【ソウル=辻渕智之】韓国の朴槿恵(パククネ)新大統領(61)の就任式が二十五日、ソウルの国会議事堂前広場で開かれた。女性大統領は韓国で初めて。朴氏は就任演説で、三回目の核実験を強行した北朝鮮に対し「韓国の安全を威嚇するどんな行為も容認しない」と核兵器開発の放棄を強く求める一方、「対話し、信頼を積む」とも明言。核ミサイルに備えた抑止力を高める半面、非核化や南北の断絶打開に努める決意を示した。 

 任期は五年で、前任の李明博(イミョンバク)氏からセヌリ党の保守政権が続く。

 朴氏は「今、世界的な経済危機と北朝鮮の核武装威嚇という危機が続いている」と厳しい認識を強調。北朝鮮に核とミサイル開発でこれ以上孤立せず、国際社会の責任ある一員として発展するよう呼びかけた。

 また、アジアの緊張緩和と平和のため「米国、中国、日本、ロシアなどとより篤実に信頼を積む」と表明。竹島問題で冷え込んだ日韓関係の修復も念頭に置いた発言とみられる。

 朴氏は、軍事独裁で「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる韓国の経済成長を主導した故朴正熙(パクチョンヒ)大統領の長女。演説では「第二の漢江の奇跡をつくる」と繰り返した。

 李前政権下では輸出企業がけん引する経済成長の陰で格差問題が深刻化した。朴氏は、数字上の国家成長よりも一人一人が実感できる「国民の幸福時代を開く」と約束。大企業規制を意味する「経済民主化」や中小企業育成、社会保障の充実に取り組むとした。

 式典には過去最多の約七万人が参加。日本からは麻生太郎副総理や森喜朗、福田康夫両元首相らが出席した。

 

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