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【望 〜都の空から】

東京駅  威容復活 人を呼ぶ

取り囲む高層ビル群の中で威風堂々と存在感を示す創建時の姿に復活した東京駅丸の内駅舎=本社ヘリ「おおづる」から(沢田将人撮影)

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 明治中期、陸軍練兵場だった荒野が三菱2代目の岩崎弥之助に払い下げられた。現在の丸の内地区だ。その後、急ピッチで建てられた赤れんがの建築群は「一丁倫敦(ロンドン)」と呼ばれる景観をつくり出した。1914(大正3)年、開発のトリを務めるように完成したのが東京駅だ。

 それからまもなく100年。赤れんがに替わり街のシンボルとなった鉄とガラスの超高層ビルの谷間で、威風堂々とした創建時の姿に東京駅が復元された。JR東日本によると、開業後2週間の駅での近距離切符の販売枚数は前年同期より4割近くも増えた。駅舎見学のために、途中下車する乗客が多いとみられる。

 駅舎正面と皇居を結ぶ「行幸通り」地下では毎月2回、野菜などを生産者が直売する「丸の内行幸マルシェ」が開かれる。実行委員長の俳優・永島敏行さん(56)は「地下にも人が流れてきた。それも全国から。昼と夕方だけでなく、一日中忙しくなった」と駅舎の集客効果に驚く。

 駅周辺の大手町、丸の内、有楽町地区をまとめて「大丸有(だいまるゆう)」と呼ぶが、地元以外にはあまり浸透していなかった。この駅舎ブームで「谷根千」(谷中、根津、千駄木)のように定着する日も近いか。 (井上幸一)

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東京新聞フォトサービス

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