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【東京】

檜原村住民訴訟 「村長、議会の責任大きい」 原告団は再度、批判

檜原村住民訴訟の東京地裁の判決を受け、記者会見する丸山二郎団長(中)ら原告団=司法記者クラブで

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 「やっとこの判決にたどりついた。こちらの主張がほぼ認められ、ありがたい」。原告の檜原村民らは喜びの声を上げた。二十三日の東京地裁判決は、嘱託職員への違法な手当の支給分について、村議会が坂本義次村長への賠償請求権を放棄した議決は「違法であり無効」と断じた。最初の訴えから七年余り。原告村民らは、あらためて「ここまで長引かせた村長、議会の責任は大きい」と批判した。 (北爪三記)

 記者会見した原告団代表の丸山二郎さん(66)は、待ち望んだ判決に「ひと安心した」と笑みを浮かべた。原告の元村議田倉栄さん(71)は「約八年間の訴訟で村民にも、村や議会任せではいけないという気持ちが芽生えたのではないか」と意義を強調した。

 判決はこう指摘している。村の人口はわずか二千五百人。予算の歳入のうち村税は二億四千万円(二〇一〇年度)にとどまり、嘱託職員へ支給した七百五十六万円の手当は、村の財政に影響を与える。さらに手当を違法と認定した高裁判決の確定前に、「司法判断がいかなるものであったとしても」と議会が判決を無視する形で、賠償請求権の放棄を議決したことには合理的な理由がない。

 その上で、村議会による債権放棄の議決は「違法で無効」であり、被告の代表監査委員が村を代表して村長に手当の返還を求める訴訟を起こさないのは、「財産の管理を怠る事実にあたり違法」と結論づけた。

 原告側弁護団は「極めて正当な判断で、意義は大きい」と評価する。田倉さんは「何でもできてしまう議会に問題がある」と批判。窪田之喜弁護士は「この判決を受け止め、住民自治の土俵でどう対応するかが重要だ。村長が手当支給分を支払うことが住民自治の姿ではないか」と指摘した。

 一方、被告の福田宮夫・村代表監査委員は「大変厳しい判決と認識している。今後、控訴する方向で検討したい」とのコメントを発表した。

 

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