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【埼玉】

自治医大と国 棄却求め争う姿勢 カンガルーケア訴訟

第1回口頭弁論を終え、裁判への思いを語る男児の両親=県庁で

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 生まれて間もない子を母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」が原因で男児(1つ)=桶川市=の脳に障害が生じたとして、この男児と両親が自治医科大と国に損害賠償計約二億八千万円を求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十四日、さいたま地裁(窪木稔裁判長)で開かれた。自治医科大、国側とも請求の棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示した。

 訴状によると、母親(28)は二〇一一年五月、自治医科大付属さいたま医療センター(さいたま市大宮区)で男児を出産。カンガルーケアとして男児を胸に抱いたが、約四十分後にぐったりしているのに気づいた。

 男児は低酸素性虚血性脳症などと診断され、現在も重度の後遺症がある。両親側は、男児に呼吸不全が強く疑われたのに、センターは十分な処置をせずカンガルーケアを実施したと主張。国については、カンガルーケアを推奨して医療機関に危険性を指導しなかったとしている。

 国は答弁書で、カンガルーケアは実践例の一つとして紹介し、安全への配慮も指摘していると反論。自治医科大は取材に対し、今後の主張については「弁護士と相談して決める」としている。

 閉廷後に県庁で会見した両親は「子どもは手を握っても反応がない。笑顔もない。(裁判で)どうしてこうなったのか、知りたい」と話した。

 

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