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【なるほどランド】

<こども探検隊>林業の現場に行ってきました! 手間ひまかけ森を育てる

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 家の柱からえんぴつまで、周りには木でできた物がいっぱい。そんな木を育て、森を守る林業の仕事を、ぼく長友大吉(ながともだいきち)が見てきました。

     ☆   ☆

 東京都森林組合の田中満(たなかみつる)さんの案内で向かったのは東京都檜原(ひのはら)村。スギやヒノキの森で、おじさんたちがチェーンソーで木を切っていたよ。

 「今やっているのは間伐(かんばつ)といって、混(こ)みすぎた森の木を間引く作業。成長のおそい木や曲がった木を選び、十本のうち三本の割合(わりあい)で切るんだ」

 森が混みすぎって?

 「混み合った森では枝(えだ)や葉が重なり合い、日光が地面に届(とど)かないので土の栄養になる下草も生えず、元気な木が育たないんだ。今切った木の年輪を見てごらん」

 数えると何歳(なんさい)か分かるんですよね。えっと…。

 「百歳近いね。でも、外側の年輪は幅(はば)がせまいでしょ。これは育ちにくくなっていた証拠(しょうこ)。元気のない森は土砂崩(どしゃくず)れも起きやすくなる。間伐は森を守るために欠かせない作業なんだよ」

     ☆   ☆

 田中さんが別の場所に案内してくれたよ。

 「これは今年春に植えたスギの苗木(なえぎ)。長友くんの背(せ)と同じくらいの高さだね。百メートル四方に約三千本植えてあるんだ」

 後で間伐するなら、初めから間をあけて植えればいいのに。

 「小さいうちは傷(きず)ついたり病気になったりすることもあるので多めに植えるんだ。さっきのような森になるまで約五十年。何度も間伐したり木にからむつるを刈(か)ったり、大事に世話をするんだよ。子や孫の代になってようやく木材として切ることができるんだ」

 きれいな森には、長い時間と多くの人の手がかかっているんだね。

◆間伐材の使い道

 間伐で切り倒(たお)された木はどうなるか知ってる?

 こうした木は間伐材と言って昔は工事現場(げんば)の足場などに使われていたんだ。でも、今は鉄やプラスチックに取って代わられ、ほとんど使われなくなってしまったんだよ。最近は、家具の材料や発電の燃料(ねんりょう)など、新しい利用法をさぐる取り組みが広がっているよ。みんなの身の回りにも、間伐材を使った物があるかも。さがしてみてね。

 

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