東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

アルジェリア 日系企業進出の訳 豊富な天然資源に商機

写真

 日揮(本社横浜市)の関係者を含む多数の外国人が、イスラム武装勢力の襲撃で人質になったアルジェリア。外務省が渡航について危険情報を出していたにもかかわらず、他の日系企業も進出している。

 Q 危険な地域と知りながら、日系企業はなぜアルジェリアに社員を派遣していたのか。

 A アルジェリアがアフリカ有数の資源国だからだ。石油天然ガス・金属鉱物資源機構によると、原油埋蔵量は百二十二億バレル、天然ガスは四兆五千億立方メートルといわれる。鉄鉱石などが豊富なうえ、新たな資源として注目のシェールガスもある。北部の地中海沿岸は気候も温暖で農業が主産業だ。フランスやスペインが近く、企業にとってアフリカ進出の足がかりにもなる。

 Q 日揮はどんな会社なのか。

 A 石油・天然ガスの精製や液化天然ガス(LNG)生産などを手掛けるプラント設計や建設を行う大手企業だ。アルジェリアには一九六九年に進出した。高い技術力が認められ、アフリカや中近東など世界約七十カ国で、二万件以上の工場建設の実績がある。実績がある分、安全対策には気を使っていたようだが、今回のような事態は「想定を上回る規模の襲撃だったのではないか」(国際石油交流センター)といわれている。

 Q エネルギー関連以外の日系企業が進出するのはなぜ。

 A 資源開発に伴い、エネルギー関連以外の事業が次々と広がるからだ。アルジェリアはアフリカの中でも資金が豊富で、高速道路の建設が目立つ。アルジェリアを東西に貫く千二百キロの高速道計画のうち、鹿島や大成建設などでつくる共同企業体(JV)が約四百キロを受注した。大手総合商社はLNGの輸出業務を手掛けている。アルジェリアには、天然資源だけでなく、大きな商機も眠っている。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo