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【社会】

米国防総省 F35性能 下方修正へ 防衛省「予定通り購入」

開発中のF35戦闘機=ロッキード・マーチン社提供

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 防衛省が購入する米国のF35戦闘機について、機体の不具合から米国防総省が性能を下方修正することを決めたことが分かった。防衛省は「米側から何も聞いていない」として、予定通り新年度予算で二機を三百八億円で購入する方針だ。 (編集委員・半田滋)

 米航空専門誌「フライトグローバル」(電子版)が十四日、報じたところによると、米国防総省は省内の「運用テストと評価」に基づき、音速に近い速度で飛んだ場合の加速性能を八秒減速させ、旋回時の荷重を5・3Gから4・6Gに引き下げることを決めた。水平尾翼に問題があるとされる。

 この性能引き下げは、戦闘機らしいきびきびした飛行運動性が低下することを意味する。性能は機種選定の重要な要素で、当初の性能を下回るとなれば、選定の正当性が疑われる事態となる。

 防衛省は機種選定の際、候補となった三機種について、各国から提案された性能、価格を比較してF35に決めた。書面審査で十分として飛行テストは行わなかった。

 本年度予算で購入する機体は米側の提案価格を上回る一機百二億円となり、新年度分は一・五倍に高騰して百五十四億円になる。さらに性能低下となれば、機種選定時に示された主要条件がすべて変わることになる。

 防衛省は「米側に提案内容を守るよう申し入れている」というが、F35は開発途上にあり、提案通りの価格、性能が維持されない可能性は選定時から本紙などが指摘していた。

 

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